2017年11月30日木曜日

《米「見舞金で免責を」》2008年沖縄市タクシー強盗致傷

《米「見舞金で免責を」》2008年沖縄市タクシー強盗致傷
【被害者側は修正希望】〈琉球新報2017年11月30日 30面〉

2008年1月に沖縄市で発生した米軍人2人によるタクシー強盗致傷事件で現在も被害者側に日米地位協定に基づく補償がされていない問題で米政府側が29日までに、被害者側に加害者の責任を免除する内容の示談を提示した。
被害者側は29日、賠償責任を問えなくなる可能性があるとして内容を修正した上で署名することを、沖縄防衛局に申し入れた。
示談書は約146万円を見舞金として支払い、「事件から生じる全ての請求や訴訟から同人(加害者)、米国政府などを永久に免責する」としている。これに対し、被害者側は今後控える損害賠償請求訴訟に向け「同人」を削除した内容でのみ示談に応じることを伝えた。
被害者側代理人の新垣勉弁護士は「米側は事件事故を巡る補償で従来と変わらず責任の免責を提示しており、問題がある。見舞金も被害者が受けた損害に到底及ばない。国はこの姿勢を正すよう米側に要求すべきだ」と指摘した。

《沖縄戦訴訟きょう判決》2審弁護団「実態直視を」
沖縄戦で被害を受けた民間人や遺族ら60人が国に謝罪と損害賠償を求めた「沖縄戦被害国家賠償訴訟」の控訴審判決が30日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で言い渡される。沖縄戦は住民を守るためではなく実態は本土防衛のための「捨て石」作戦で、多数の住民が動員され、犠牲者を出した。どのように国の責任を問い、戦争被害の歴史を後世に伝えるべきか。司法の判断が注目される。
1審の那覇地裁判決は、戦時の憲法には国の公権力行使による賠償責任は「認められない」などとして住民側の請求を棄却した。沖縄戦当時は国家賠償法施行前だったため損害賠償の責任を負わないとする「国家無答責の法理」で退けた。
戦争遂行により民間人を特別な危険な状態にさらした「公法上の危険責任」の訴えは実定法上の根拠がないとし、民間被害に対する国の賠償責任を認めなかった。

瑞慶山茂弁護団長は「沖縄戦は集団自決や壕追い出しなどで亡くなった人が多い。日本軍の加害行為、不法行為が存在する。外傷性精神障害を負った住民がいるという実態を見て、高裁は国の責任の取り方を示してほしい」と訴えた。

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