2017年11月16日木曜日

緊迫の海

【搬入強行 緊迫の海】石材海上輸送 抗議船と海保対峙
〈琉球新報29面 2017年11月15日〉

石材を積んだ大型台船が「ガシャン、ガシャン」と大きな音を立てて辺野古埼北のK9護岸に接岸した。14日午前、新基地建設で沖縄防衛局による初めての海上搬入が始まった。
台船に積まれた石材をトラックが次々と運んだ。「大浦湾に石材を持ってこないで」「県民の意思を無視した工事だ」。市民らの絞り出すような抗議の声が現場に響いた。海上保安庁のボートと抗議船が対峙する緊迫した状況の中、作業が強行された。

午前7時43分、雨が降り続く大浦湾。船に乗った作業員が長島付近にある浮き具(フロート)のつなぎ目外し、台船の進路を開けた。国頭村奥からの台船が次第に姿を現し、護岸に近づいた。
抗議船が台船に近づこうとしたが、進路をふさぐように海保のボートが立ちはだかった。抗議船の牧志船長は(67)は「我々がなぜ、お金にならない抗議活動をやっているか、考えてくれ。未来の子や孫のためにやっているんだ。と訴えた。海保と抗議船のにらみ合いは続き、緊迫した空気が辺りを包んだ。
海保に守られ、台船がフロート内に進入した。雨が上がった午前11時ごろ、K9護岸に着岸した台船に載せられている石材をシュワブ内から来たトラックに積み込んだ。護岸に来たトラック1台が台船の石材を積んで護岸を通過する時間は約4分間。短時間で次々とトラックが台船から石材を運び出した。午前11時14分から始まったトラックによる資材運搬は午後1時半ごろまで行われ、2時間余りで台船の石材を運び終えた。
台船は午後3時頃には大浦湾から離れた。抗議船船長の仲宗根さんは(38)は「台船から積み下ろすペースが速かった。県民の意思を無視した強行工事だ。それでも現場でできることはやっていく」と話した。

【怒りに堪えぬ】抗議行動強化へ 陸海合わせて150台入る
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐる新基地建設で14日、米軍キャンプ・シュワブゲートからも砕石やオイルフェンスを積んだダンプカーなど工事車両役100台が基地内に入った。
14日、ゲート前では午前9時、正午、午後3時の3回に分けて、工事車両の搬入があった。これまで陸路では1日最大223台もの工事車両が搬入されたが、この日は海と陸を合わせて約150台だった。
ゲート前で抗議活動していた沖縄平和運動センターの大城事務局長は「まだ、大量の資材は入っていない。これから政府はいろんな手法を使うだろうが気後れしてはいけない。海上搬入は工事が遅れている証拠だ」と強調した。
ヘリ基地反対協議会の安次富共同代表は海上搬送が始まったことに「怒りに堪えない。数の力で押されるのであれば、われわれも押し返せばいい。人がたくさん来ればできる」と話した。

【辺野古掘削調査 受注者を非公開】防衛局、安全確保理由に
辺野古新基地建設工事に係る海上ボーリング調査の一般競争入札公告について、沖縄防衛局が「当該事業者の安全確保」を理由に受託業者名の公表を控えていることが、14日までに分かった。
同海域でのボーリング調査をめぐっては、2014年に埼玉県にある受託業者の事務所を狙った金属弾発射事件が起きている。防衛局の担当者は「過去の事件を鑑み、受注者の安全確保を最優先に配慮した」と説明した。
防衛局は辺野古沖で新たに19ヵ所の海上ボーリング調査が必要だとして、今年8月に土質調査の入札公告を出した。9月に同局の公式ホームページ上で結果を公表したが、受託業者名だけ黒塗りされ伏せられた。

0 件のコメント:

コメントを投稿