2017年11月11日土曜日

本部から石材

沖縄の紙面風景〈記事抜粋〉


琉球新報
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『本部からも石材海運』 防衛局 辺野古護岸 加速狙う
米海兵隊普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐる新基地建設で国頭村奥港に加えて本部港からも護岸建設のための石材が海上運搬されることが9日、分かった。
国頭村と本部町の採石場から近い港から搬出する。
沖縄防衛局は6日に新たに着工した「K1」と「Ñ5」の護岸建設工事で陸上の阻止行動を避ける形で奥港と本部港から大量に石材を海上輸送し、基地建設を促進させる狙いがある。

塩川地区使用 町が許可
本部港から石材を搬出する業者が港湾施設用地の使用許可を10月12日に本部町に提出し町が17日付で許可した。
米軍キャンプ・シュワブの傾斜提護岸工事建設の石材仮置き場として使用する。
荷捌き場は2か所あり、それぞれ6880㎡と275㎡で期間は11月1日から30日まで。
1か月ごとの使用許可申請が必要。
本部港は県管理の港だが県が本部町に管理を委託している。
岸壁の使用許可申請も業者から10月中に本部町に提出されているが町が使用許可申請は従来必要ないとし「(今回の)岸壁の使用は認める」と説明した。
これまで石材は本部町と国頭村から陸路でシュワブに運ばれていたが台風や基地建設の反対運動などで工期が大幅に遅れている。
県も石材搬出のため国頭村奥港の岸壁使用を9月上旬に許可しており、海上輸送が始まることで基地建設が加速するとみられる。


〈2面関連記事〉
『国、工事遅滞で焦り』「承認撤回」高まり必至
新基地資材の海上搬入
辺野古新基地建設の護岸工事で本部町の本部港と国頭村奥港からの石材の海上運搬に向けた準備が進んでいる。
陸路での資材搬入では砂利を載せたダンプカーが毎日、何十台も米軍キャンプ・シュワブのゲートを通って基地内に運び込んでいる。
だが、新基地建設反対の市民らの座り込みによる抵抗運動で、その進捗は防衛局が想定している形で進んでいるとは言い難い。

沖縄防衛局には海上からの大量運搬で工事を加速させたい狙いがあると言える。計画通りに進まない焦りもにじむ。
来年2月には辺野古新基地建設を争点とした名護市長選があり、さらには来秋には天王山となる県知事選を控える。
政府側には工事をどんどん進めて県民の間に「基地建設はもう阻止できない」との諦めムードを漂わせたい思惑も垣間見える。

一方で翁長雄志知事はこれまで新基地を造らせないために「あらゆる手法を行使」すると繰り返してきた。だが今回、辺野古新基地建設用石材の海上運搬のために奥港の岸壁使用を許可した。
県の担当者は「法律に基づいて判断すると不許可にできる理由がなかった」と説明する。
翁長知事として辺野古新基地に関する許可や承認は初めてとみられ「あらゆる手法を行使」するとした知事姿勢に疑義を呈する声もでている。
予定地で見つかった。
予定地で見つかった希少サンゴの扱いをめぐり防衛局から特別採捕許可の申請もでているが、なし崩しで許可が積み重なってしまわないかとの懸念も上がる。
工事を強行するために様々な手段を講じる政府。先月の衆院選でも改めて示された民意を背景に埋め立て承認の撤回に向けた翁長知事の決断を迫る声が高まるのは必至だ。

〈防衛局との認識にずれ〉 県「K9護岸想定ない」
名護市辺野古の新基地建設をめぐる資材の海上運搬は、沖縄防衛局が県に申請した公有水面埋立承認願書の添付文書に記している。ただ、県側と防衛局側とで認識に違いがある。
防衛局は埋立承認願書に添付の「環境保全図書」に「海上運搬及び陸上運搬により施工区域に搬入」と明記しており、当初から海上運搬を想定していると県に答えている。
一方、県側は10月31日付の文書でK9護岸に船舶を接岸させて資材の海上運搬を行うことは埋立承認願書で想定されていないと反論している。
県は、仮にK9護岸に接岸機能を持たせる場合は大幅な設計変更に当たるとの認識を示している。設計変更には県知事の承認が必要とされる。
防衛局は2日付で県に提出した回答文書で海上から資材を運搬する理由を「更なる環境負荷の軽減と施工の円滑な効率化を図るため」と説明した。
「環境負荷の軽減」の中身については、資材を積み込んだ海上作業用の台船のスクリューを回転させなければ「海底の巻き上げ機とその影響は軽微であると考えられる」と記載した。
防衛局は本紙取材に県が9月上旬に使用許可を出した奥港(国頭村)の使用目的は「普天間飛行場代替施設建設事業」と説明した。さらに県によると新基地建設のために運搬業者が使用するという。使用期間は2018年3月まで。
運搬業者名と海上からの運搬時期について防衛局は、本紙取材に「工事に支障が出る可能性があるため回答を差し控えたい」と明示していない。
辺野古新基地建設での護岸工事は今年4月に「K9」護岸で始まった。





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