2017年12月16日土曜日

《防衛省、米に部品提供》CH 53「不足で事故再発懸念も」

《防衛省、米に部品提供》CH 53「不足で事故再発懸念も」
〈琉球新報2017年12月15日 3面〉


普天間第2小学校米軍ヘリ窓落下で、事故を起こした米海兵隊普天間飛行場所属のCH53E
大型輸送ヘリの同系機の部品不足に対応するため、防衛省が実施していた自衛隊の同系機
の部品提供が本年度で終了したことが14日分かった。老朽化が指摘される CH 53 E の深
刻な部品不足がさらに悪化し、事故の再発が懸念される。
海上自衛隊は CH 53 E と同型で掃海用装置を組み合わせた MH 53 Eヘリを運用してきた
が、既に除籍されている MH 53 E の米国内での製造終了で部品枯渇が見込まれるとして、
防衛省と米国防総省は2015年、海自のMH 53 E の不用部品を米側に売却することで合意
した。
防衛装備庁によると、 MH 53 E の部品は同系機の CH 53 E に使用されるという。今回
の事故機に使用されたかどうかは不明。
防衛装備庁の担当者によれば、米側からの情報提供の義務はないが、MH 53 E の部品を
使用した米軍機に不具合があったと報告はないという。今後は、米軍の CH 53 E の部品
不足が深刻化する可能性がある。


《 CH 53機材不足 飛行可能は37%》海外報道、事故多重指摘【ワシントン発】


海外メディアは13日、米海兵隊普天間飛行場所属の CH 53 E 大型輸送ヘリの窓が宜野湾
市の普天間第2小学校の運動場に落下したことを電子版で報じた。FOXニュースは、 CH
53 E のわずか37%が飛行可能で、海兵隊などの航空機材不足が訓練に支障を及ぼしてる
と伝えた。
CBS ニュースなどは、人口密集地にある普天間飛行場が県民の反基地感情や安全性への
懸念の源になっているとする AP 通信の記事を掲載。米軍準機関紙「星条旗」は「 CH 53
E の窓が不可解にも空から落ち、子供達が遊ぶ運動場に着陸した」と報じた。
ニューズウィーク誌はこの一週間で2件目の米軍機関係の事故だとし、米軍機からのもの
とみられる部品が保育園に落ちた事故の捜査中に起きたと報道。東村高江での CH 53E不
時着・炎上事故の映像も掲載し、米兵らによる相次ぐ事件・事故と県民の反基地感情、普
天間飛行場移設問題についても紹介した。
英 BBC ニュースは翁長雄志知事が普天間第二小の現場を訪れた写真を掲載し、日米両政
府が普天間飛行場の県内移設を進める一方、知事は基地の全面撤去を求めていると報じた。


【米国国防省「深くお詫び」】
米国防総省のローガン・アジア太平洋担当報道官は13日、米海兵隊普天間飛行場所属の
CH 53E大型輸送ヘリの窓が宜野湾市の普天間第2小学校の運動場に落下したことについて
「深くお詫びし、地域社会に不安を与えたことを反省してる」と述べた。
事故原因について「米国はこの件を十分に調査して原因を特定し、必要な予防措置を講じ、
日本との同盟関係を支えるための安全な飛行訓練を行うことに全力を注ぐ。日米同盟を支
える沖縄に感謝の意をを表する」と説明した。


【米軍、8月に定期整備】窓対象外、日常点検漏れか
宜野湾市の普天間第2小学校へ窓を落下させる事故を起こした米海兵隊普天間飛行場所属
CH 53 E 大型輸送ヘリについて、事故機が8月に定期的な整備を終えていたことが14日、
分かった。定期整備を実施する業者によると、整備項目に窓部分は含まれていないという。
そのため、落下は米軍による日常の点検漏れや使用方法に問題があった可能性がある。

在日米軍の CH 53 E は2015年6月から5年間、大韓航空がメンテナンス契約している。メ
ンテナンスではシステム検査や機体を分解しての主要部分の点検、非破壊検査を実施し、
欠陥があれば修理する。オーバーホールも行われる。大韓航空によるとメンテナンスは約
6ヶ月かかる。事故機は8月にメンテナンスを終えて、米軍に引き渡したという。ただ窓部
分はメンテナンス契約に含まれておらず、メンテナンスとは無関係だとしている。

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