2017年12月8日金曜日

《知事「深刻な事故」》米軍機部品落下か

《知事「深刻な事故」》米軍機部品落下か
〈琉球新報2017年12月8日 2面〉


【特定前の飛行停止要求へ】
翁長雄志知事は7日午後県庁で会見し、米軍機からとみられる筒状の物体が宜野湾市
内の保育園に落下した問題を受け、米海兵隊のCH53大型輸送ヘリの部品である可能
性が高いとの認識を示した上で、事実が判明しない間でも米軍機を飛行すべきでは
ないとの考えを示した。


その上で「すぐそばで40~50人の園児が活動中とのことで、一歩間違えば重大な人
身事故につながりかねず、深刻な事故だと認識している。仮に米軍の部品だと判明
た場合、強く抗議する必要がある」と述べた。
2004年の米軍ヘリ沖国大墜落事故でもプロペラの放射性物質が問題になったことを
げて、抗議をしても相次ぐ米軍機事故に「本当に、改めて沖縄の現状と日米地位
定、日米合同委員会のあり方がしっかりと問われなければならない」と述べた。
米軍機の物と特定されないまま米軍機の飛行が続いていることには「沖縄側からし
ら、とんでもないことだ」と激しい姿勢を示した。米軍機の部品の可能性が出て
いることをあげて「それでもなおかつ飛ぶこと自体の感覚が、(米側に)沖縄県を
全く一顧だにしないというのはあるのではないか」と指摘した。
普天間飛行場の危険性除去に関して「私が辺野古に反対してるから(普天間飛行場
の)5年以内の運用停止に手をつけないんだというのは大変憤慨に堪えない。沖縄
の基地負担軽減からかけ離れてる」と改めて政府に取り組みを求める姿勢を強調し
た。


【極めて遺憾だ】宜野湾市長 現場を視察
宜野湾市野嵩の保育園にプラスチック製の筒が落下したとの知らせを受け、佐喜真
市長は約3時間後の7日午後1時過ぎ、現場に駆けつけた。約10分間、落下地点を
視察し、神谷武宏園長と話した後、「仮に落下物が米軍ヘリからだとしたら、極め
て遺憾だと言わざるを得ない」と訴えた。
現場で取材に応じた佐喜眞市長は「街のど真ん中にある普天間飛行場が常に危険と
り合わせであることが市民や県民に分かったと思う。宜野湾市の現状を訴えてい
くことに尽きる」と語った。米軍ヘリの飛行音で約20秒、取材が中断される場面も
あった。
市役所を訪れた中嶋浩一郎沖縄防衛局長と面談した佐喜真市長は「二度と宜野湾市
に不安を与えないで」と語気を強めた。8日、防衛局を訪れて抗議する。


【菅氏「県民に不安」】19年普天間停止は困難視
宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園のトタン屋根に米軍機の部品とみられる筒状の物体が
落下したことを受け、菅義偉官房長官は7日の会見で「保育園の関係者のみならず
沖縄県民に不安を与えるものであり、あってはならないことだ」と懸念を示した。
同時に県と政府が約束している普天間飛行場の2019年2月までの運用停止について
問われ「実現は容易ではない」とした。
菅氏は米軍機の飛行について「安全確保が大前提だ。安全面に最大限配慮すること
ともに、地域住民に与える影響を最小限にするよう引き続き求めたい」と述べ、米
軍への抗議や再発防止を求める考えを示した。
小野寺五典防衛大臣は同日、記者団の取材に「万が一の事考えたらこれは決して看
過できるようなことではない」と指摘。落下物については米海兵隊のヘリコプター
から落下したと想定されるとした。防衛省は、普天間所属の大型輸送ヘリコプター
CH53Eの部品とみて米軍に確認している。


【地元機関と連携し調査】米軍、明確な回答なし
在沖米海兵隊は7日時点で、取材に対し、米軍機からの落下物なのかや落下物の機能、
下原因については明らかにしていない。

取材に対し「保育園の屋根で落下物が発見されたことは知ってる。この件について真
に受け止め、地元機関と緊密に連携し調査している。基地周辺の地域住民の安全
には深い注意を払ってる」と回答するにとどまっている。

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