2017年12月6日水曜日

《生物移植、新たに申請》辺野古新基地建設 

《生物移植、新たに申請》辺野古新基地建設 
【防衛省 入域制限浮具も追加】
〈琉球新報2017年12月6日 2面〉

防衛省は5日、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画をめぐり、周辺環境への影響を検討する環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大学院教授)の第10回会合を同省内で開いた。埋め立て予定の海域に生息する底生生物や海藻を保護するため、移植手続きに必要な特別採捕許可を県に新たに申請すると明らかにした。同時に辺野古側の臨時制限区域を明示する浮具(フロート)を追加で3800 m、 固定するための重り79個を設置する。

【工事進行にも影響】
委員会終了後、沖縄防衛局が記者団に説明した。
参加委員から委員会の趣旨は基地建設の賛否を示すものではなく、工事実施を前提に環境面での指導・助言を行うとの認識が改めて示された。
特別採捕許可を申請するのは巻き貝や甲殻類などの底生生物と海藻「ウミボッス」。これまで素潜りで移植していたが、今後は深場で空気ボンベなど機材を使用するため県の許可を得る必要がある。
また、11月に見つかった、環境省が策定した海洋生物の絶滅危惧種のリスト「レッドリスト」に掲載されている希少なサンゴ10群体についても特別採捕許可を申請するとした。
防衛省は10月、レッドリスト掲載のサンゴ1群体の特別採捕許可を県に申請したが、新基地建設に反対する翁長雄志知事は慎重に審査している。そのため、今後も審査に時間を要し、工事の進行に影響が出る可能性もある。
新たなう浮具の設置は埋め立て予定地の南側部分。現在は作業区域周辺に設置されているが、範囲を臨時制限区域まで広げる。固定するために870キロアンカー36個、600キロアンカー8個、560キロアンカー7個、30キロアンカー28個の計79個を使用するとした。

【環境保全措置 県、国に質問書】ヒユサンゴも再度要求
県海岸防災課は4日、名護市辺野古の新基地建設工事の海域に生息するサンゴ類などの海洋生物に対して環境保全措置が取られているか、沖縄防衛局に文書で確認した。2016年度の冬期調査で見つかった絶滅危惧種Ⅱ類「ヒユサンゴ」の保全措置についても回答を求めた。ヒユサンゴは、当該調査でK9護岸とA護岸建設予定地付近の海底で確認されており、同課は「環境省版のレッドリストに記載されてるサンゴについては移植すべきだ」との見解を示している。
7月に質問して以降、防衛局からはヒユサンゴの環境保全措置についての回答が来てないため、今回再度求めた。

同課はほかにも、K9護岸の構造変更の状況を確認するため、工事海域への立ち入り調査が早期に実現できるよう求めた。さらに、埋め立て工事で使用する石材を使用前に洗浄してるかについても確認した。

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