2017年12月15日金曜日

《小学校に米軍ヘリ窓落下》普天間第2、児童に石「CH53部品7.7キロ体育中」

《小学校に米軍ヘリ窓落下》普天間第2、児童に石「CH53部品7.7キロ体育中」
〈琉球新報2017年12月14日 1面〉


宜野湾市の普天間第2小学校の運動場に13日午前10時すぎ、米海兵隊普天間飛行場所属の
CH53大型輸送ヘリコプターから、約90c㎡で重さ約7.7キロの窓が落下した。運動場に
は2年生と4年生らが計約60人が体育の授業中で、窓は児童から10mほど離れた地点に落
ちた。落下直後に左腕に小石が当たった4年生の男児が痛みを訴えたが、目立った外傷は
ない。県は在沖米軍に抗議し、安全確認と原因が究明されるまで、CH53だけでなく戦闘
機も含む県内の全米軍機の飛行停止を求めた。加えて日本政府には普天間飛行場の5年以
内の運用停止の早期実現を要求した。相次ぐCH53の事故で県民の反発は必至だ。


【県、米軍全機停止を要求】
米軍機の部品落下は日本復帰後、7日の緑ヶ丘保育園の事案を含めて今回で69件。
窓はアクリル製とみられ、外枠は金属製だった。宜野湾署が現場で検証し、窓を回収し
た。業務上過失傷害などの容疑で立件が可能かも含め調査を進める。
県庁で県の抗議を受けた米海兵隊太平洋基地司令官のポール・J・ロック准将は謝罪のし
た上で「(落下事故時)CH53はすべて普天間飛行場に帰還させ、現在は飛んでいない」
としたが、県が求めた全機種の飛行停止要求には明確な回答を避けた。
翁長雄志知事と吉田勝弘政策調整官、佐喜真淳宜野湾市長は13日、事故の報を受けてそ
れぞれ現場を確認した。翁長知事は14日、上京し政府に抗議する。
普天間第2小学校の喜屋武悦子校長は現場で沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長に同校の上空を
飛行しないよう求めた。喜屋武校長は取材に「飛ばないとの回答がなければ運動場の使
用を再開できない」と語った。
県警は米軍に対し、口頭で窓が外れた機体の調査や乗組員の事情聴取を求めたが、米軍
側から回答はないという。
小野寺五典防衛相は13日、羽田空港で記者団に、米軍に飛行自粛を求める姿勢を示した。
中嶋防衛局長は米軍側に飛行停止を求めた。
防衛省によると、窓は操縦席の左側。ヘリが離陸直後、小学校付近を通過した際に外れ
て落下。ヘリは直ちに飛行場へ戻った。
県の富川盛武副知事が13日午後、川田司沖縄担当大使と中嶋防衛局長、ロック基地司令
官、ジュエル・エレンライク在沖米総領事を県庁に呼んでそれぞれ抗議文を手渡した。


【知事「県民差別だ」再三の事故、日米を批判】
翁長雄志知事は13日、CH53Eヘリから部品が落下した普天間第2小学校を訪れ「一番守ら
なければならないのが子供たちだ。本当に言葉にならない気持ちだ」と述べた。県庁に
戻り「県民の代表として差別としか言いようがない。日本、極東の安全保障のために沖縄
の人はどうなってもいいというようにしか見えない」と憤った。県は在沖米軍基地の米軍
機全機種の飛行停止を求めた。
翁長知事は小学校を視察後、その足で7日に落下事故が起きた同市野嵩の緑ヶ丘保育園を
訪れ、現場を確認した。

名護市でのオスプレイの墜落、東村高江でのCH53Eの炎上など度重なる事故を挙げ「日常
的に起こりえるものに米軍も日本政府も対応できない。日本政府の当事者能力が大変弱い。
米軍も全く私たちの言うことに耳を貸してない」と日米両政府の姿勢を批判。その上で
「(抗議を)何十回も何百回も繰り返しもできない。改めて対応の仕方を考える必要があ
る」と述べた。

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