2018年1月10日水曜日

《読谷不時着ヘリ 訓練強行》県の中止要請を無視「防衛局、停止求めず」

《読谷不時着ヘリ 訓練強行》県の中止要請を無視「防衛局、停止求めず」
〈沖縄タイムス2018年1月10日1面〉


読谷村儀間の一般廃棄物最終処分場に8日不時着した米軍普天間飛行場のAH1Z攻撃ヘリは
9日午前7時20分すぎ、自力で普天間に戻った後、午後2時過ぎから7時までに少なくとも
4回の飛行を繰り返した。この日、うるま市与那城伊計島に不時着したUH1Yヘリを含む
普天間所属の全4種類の回転翼機は、本島北部を含む広い範囲で通常通りの訓練を強行。
県や読谷村が原因究明までの飛行中止を強く求めたが、米軍は完全に無視した形で、県
内では反発が広がっている。


沖縄防衛局は「米軍において所要の点検整備を行い、飛行しているものと認識している」
と容認しており、飛行停止を求める考えはないとした。
富川副知事は、事故後も変わらず米軍機が飛び続ける現状に「これが沖縄の実情だ。憤り
を通り越して無気力感しかない」と訴えた。県庁に外務、防衛両省の担当者を呼んで抗議
し、同型機の飛行停止を要求した。10日に上京し、日米両政府に抗議する。
村は原因究明までの普天間所属全機種の運用停止を防衛局に訴えた。処分場を管理する比
謝川行政事務組合は、現場から約70m離れた管理棟に当時3人の職員がいたことを重視し
「人命に関わる事故につながったかもしれない。許しがたい」と抗議した。
しかし、米軍はこの日、県や村の抗議を全く意に介さない形で普天間所属機を飛行させた。
不時着したUH1YとAH1Zの同型ヘリは午後0時20分ごろ、普天間を離陸した後、読谷村役
場近くの上空をそろって通過する様子が村役場から目撃された。名護市辺野古のキャンプ
・シュワブ周辺では午後3時前から2時間以上、UH1Yと8日に不時着したAH1Zが編隊で旋
回を続けた。CH53E大型輸送ヘリとオスプレイも訓練を繰り返した。
米軍は不時着原因について「テールローターのギアボックスで微小な電気的事象を検知し、
警告灯が点灯した」とし、ローター近くのセンサーを交換して安全に問題がないことを確
認したと発表した。着陸場所に関しては「搭乗員はできるだけ建物や人から遠く離れた場
所を選択した」と説明。実弾は積んでいなかったとした。


【知事批判「言葉を失う」】読谷村長「声明・財産守って」
米軍普天間飛行場所属のAH1Z攻撃ヘリが読谷村内に不時着した問題で、翁長知事は「言葉
を失う。日本政府も当事者能力のなさを恥ずかしく感じてもらいたい」と述べ、米軍と日本
政府を強く批判した。9日、県庁で記者団に語った。
事故を繰り返す米軍とそれでも、米側へ強く抗議しない日本政府に対し、「(問題が)たら
い回しにされる中で、沖縄問題が埋没する。憤りを感じる」と非難。その上で「悪い循環を
断ち切らなければいけない。日本の民主主義が問われている」と訴えた。
この日もAH1Zと、6日にうるま市伊計島へ不時着したUH1Yが、読谷村役場近くで飛行した。
原因究明まで全機の運用停止を求めている石嶺読谷村長は「度重なる事故が起きてわれわ
れが要請しても、米軍は一顧だにしない」と強い憤りを表明。

「日本政府に主権国家として、沖縄県民の生命と財産をきっちり守っていくことを改めて
訴えたい」と、主体的に役割を果たすよう政府に求めた。

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