2018年1月25日木曜日

二階氏の協力要請応じず

《石垣市長選 保守分裂へ》砂川氏、きょう出馬表明
〈沖縄タイムス2018年1月24日2面〉

自民党の二階俊博幹事長は23日、党本部で県議の砂川利勝氏(54)==沖縄・自民==と会い、3月11日投開票の石垣市長選の出馬を見送り、3戦を目指す現職の中山義隆氏(50)への一本化に協力するよう要請した。砂川氏は「重く受け止め、後援会と相談したい」と応じたが、同日夜の会合で予定通り24日に出馬表明することを確認。保守分裂は避けられない情勢だ。
同選挙では、陸自配備計画の是非が最大の争点となる見通し。中山氏は容認の立場だが、受け入れの「最終判断」は保留。砂川氏は配備計画予定地とする現計画の見直しも視野に入れている。
配備に反対する市議の宮良操氏(61)も出馬予定で、三つどもえの公算が大きい。二階氏は砂川氏に「わが国の安全保障を確保する観点から大局的な見地に立ってほしい」と求めていた。
砂川氏の後援会幹部は「(要請は)覚悟の上だった。現職で一本化はあり得ない」と述べた。

《対話で島に元気を》石垣市長選「砂川氏、出馬表明」
〈沖縄タイムス2018年1月25日2面〉

任期満了に伴う来年3月11日の石垣市長選で、新人で県議の砂川利勝氏〈54〉は24日、市内のホテルで記者会見し、正式に出馬表明した。「対話でつくる島づくりが原点。均衡ある発展で石垣に元気を」と決意し、市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を「白紙に戻す」と明言した。
島への陸自配備は争点の一つ。砂川氏は賛成の立場を強調しつつも現予定地では「住民合意が得られていない」と指摘。「対話で解決し、住民合意の得られる所を提案する」と述べた。
また、現計画では予算規模が大きい新庁舎の設計を見直すとし「身の丈に合った庁舎を地元業者と造る。(経済含め)先を見越した政策に取り組む」とした。
【砂川利勝】(すながわ・としかつ)1963年9月、市桃里生まれ。中部大学土木工学科卒。2002年から市議を4期務め、12年の県議選で初当選し、現在2期目。県たばこ耕作組合会長。石垣葉たばこ生産振興会長。

《埋まらぬ溝 保守分裂確定的》石垣市長選「陸自配備争点 三つ巴へ」
〈沖縄タイムス2018年1月25日2面〉
3月11日の投開票の石垣市長選は、3選を目指す保守系現職の中山義隆氏(50)に対し、反発する一部保守層の擁立した自民党県議の砂川利勝氏(54)が出馬表明し、保守分裂が確定的となった。自民党本部や県連は現職で一本化しようと動いたが思惑は崩れた。新人で革新系市議の宮良操氏(61)の出馬予定で、三つどもえになる情勢だ。
「常識的に考えて保守が分裂して三つどもえなら共倒れだ」。自民県連幹部は危機感をあらわにする。
20、21の両日、西銘恒三郎衆院議員が石垣入りし、中山、砂川の両氏との調整に臨んだ。市平得大俣で進む陸上自衛隊配備計画の是非が最大の争点となる見通しで、23日には党本部の二階俊博幹事長が砂川氏を呼び、「安全保障を確保する観点から大局的な見地で保守分裂を回避してほしい」と要請していた。
自民関係者は「官邸は相当ピリピリしている。石垣は、国防、国策にも関わり、このままで終わるはずがない」と困惑。県連幹部は「自民の推薦は現職の方向。砂川氏が勝つのはかなり厳しい」と指摘する。
「これまでの総括もせず、現職ありきでは納得できるわけがない」。保守分裂の予兆が表面化したのは昨年12月23日。中山氏擁立を決めた自民党石垣支部内で、砂川氏に近い市議の反発が噴出した。
支部内の溝は、砂川氏が初当選した2012年の県議選で、中山氏が別の保守系候補を支援したことに端を発する。14年の副市長人事では、中山氏が与党系に事前相談なく提案したことで一部が反対に回り、否決するなど確執が広がり、「反中山」派が具体化した。16年6月の市議会では陸自配備推進派の請願採決を巡り意見が割れ、自民会派が一時分裂した。
さらに砂川氏に近い自民関係者は、公明支持層を意識した中山氏が陸自受け入れの「最終判断」を保留する「曖昧な態度」も一部保守系の不信を招いた--と指摘する。
砂川氏の出馬表明に、中山氏の関係者は「想定内」と平静を装い、現職2期8年の実績で「支持を固めている」と自負する。一方、砂川陣営は昨年末から水面下で動き、票の切り崩しを続けている。
自民県連の幹部は「降りるに降りられない状況だろうが、現職県議は重要な存在。調整を続ける」と述べた。


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