2018年1月31日水曜日

基地で振興 56%否定

《沖縄タイムス 名護市長選世論調査》
〈沖縄タイムス2018年1月30日3面〉

沖縄タイムス社が実施した2月4日投開票の名護市長選世論調査で、市内有権者の支持政党や辺野古新基地建設への賛否、最も関心のある争点などが明らかになった。3期目を目指す現職の稲嶺進氏=社民、共産、社大、自由、民進推薦、立民支持=と、前市議で新人の渡具知武豊氏=自民、公明、維新推薦=が激しい選挙戦を展開しており、終盤戦の動向や投票率が情勢に影響を与えそうだ。

『移設 支持先で賛否明確』

【辺野古移設と地域振興】
選挙戦で最大の争点となっている米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設への賛否を聞いたところ、「反対」が53%で、「どちらかといえば反対」の13%を含めると66%が新基地建設に否定的な回答となった。一方「賛成」は10.5%、「どちらかといえば賛成」は17.8%で、容認の考えは計28.3%にとどまった。「分からない、無回答」は5.7%だった。
稲嶺進氏に投票予定のうち「反対」「どちらといえば反対」は合わせて90.6%に上った。一方、渡具知武豊氏に投票予定のうち「賛成」「どちらといえば賛成」は68.5%で、賛否が明確に割れた。
男女別では、「どちらか言えば」を含めた「反対」が男性60.2%、女性71.6%といずれも賛成を上回った。
辺野古移設による政府の地域振興や経済対策への期待に関しては「期待する」22.6%、「どちらといえば期待する」15.4%で計38%だったのに対し、「期待しない」「どちらといえば期待しない」は56.8%と半数を超えた。「分からない、無回答」は5.2%だった。
辺野古移設に「賛成」とした人のうち約8割は「期待する」とし、「反対」の約7割は「期待しない」と回答した。

『高齢者ほど「大いに関心」』

【選挙への関心度・争点】
名護市長選について、どの程度関心があるかを尋ねたところ、「大いに関心がある」が69.3%、「ある程度関心がある」が22.8%で全体の92.1%が関心を示した。
「大いに関心がある」を年代別に見ると、50代以上が80%超と高く、40代で72.4%、30代で57.8%、29歳以下が43.4%と年代が下がるにつれ低い傾向にある。
「あまり関心がない」を職業別でみると学生が41.8%と高く、次に現業職が15.6%と続いた。最も関心の高い争点を尋ねると「辺野古移設」が53.2%、「雇用・経済振興」が16.6%、「医療・福祉の充実」が11.6%、「教育・子育て支援」が11.4%、「観光振興」が3.5%、「交通・インフラ整備」が0.5%だった。
稲嶺氏へ投票予定と答えた人に最も関心の高い争点を尋ねたところ、「辺野古移設」が79.8%と最も高く、「医療・福祉の充実」が6.7%、「雇用・経済振興」が6.5%、「教育・子育て支援」が6.5%だった。
渡具知氏へ投票予定と答えた人に最も関心の高い争点を尋ねたところ、「雇用・経済振興」が35.3%と最も高く、次いで「教育・子育て支援」が19.5%、「医療・福祉の充実」が18.3%、「観光振興」が10.6%、「辺野古移設」は11.6%だった。
投票先を分からない・無回答とした人の37.8%が「辺野古移設」を最も関心のある争点とした。

『建設強行 不支持が67%』

【移設進める政府姿勢】
普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を進める政府の姿勢について、「不支持」が56.5%と圧倒的に多く、「どちらかといえば不支持」の10.7%を加えると67.2%で約7割に上った。沖縄の選挙で示した民意を顧みない強行に厳しい結果が出た。
「支持」は9.3%、「どちらといえば支持」は18.6%だった。
辺野古に断固反対する稲嶺氏へ投票予定の83.5%が「不支持」、8.7%が「どちらといえば不支持」。
逆に、政府・与党の支援する渡具知氏へ投票予定の24.8%が「支持」、43.9%が「どちらといえば支持」と、68.7%で約7割が理解を示した。
自民党支持者の65.4%が支持、27.9%が不支持、公明党支持者の52.9%が支持、45.8%が不支持だった。国政野党では希望の党の支持者を除き、不支持が支持を上回った。「支持政党なし」と答えた人の13.9%が支持、78.8%が不支持だった。


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