2016年11月3日木曜日

改憲手続き最短2年(メモ)

2016年11月3日、1946年の公布から70年。新聞紙面の憲法特集の改憲手続き部分

◇改憲手続き最短2年(初の国民投票、19年にも)
国会が憲法改正に舵を切った場合、今後の手順や見通しはどうなるのか。
具体的な手続きに詳しい南部義典・元慶応大講師は「改憲まで最短でも2年はかかる」と説明する。

○国会手続き
南部さんによると、まず国会は「国民の憲法のどこを変えたいのか調査し、与野党で議論の方向を決めなければいけない」ただ、これまでの衆参両院の憲法審査会は「自由討議と勉強会だけ。実質的な議論はできていない」と指摘する。
仮に与野党が改正方針に合意したとすると、想定される工程は
①超党派の提案議員が改正原案を起草
②100人以上の賛成議員の氏名を付けて衆院に提出
③提案議員が本会議で趣旨説明し、各会派の代表質問
④憲法審査会での審査(提案議員との質疑、参考人質疑、中央公聴会、地方公聴会)
⑤審査会で過半数議員の賛成により可決
⑥衆院本会議で総議員の3分の2以上(317人以上)の賛成で可決となる。

参院でも同様の手順を踏む。衆参両院は同じ国会会期内で可決しなければならないため、会期をまたげば参院での可決後、再び衆院で可決が必要になる。

○国民投票
両院が可決すると自動的に憲法改正の「発議」だ。
国民投票の期日を議決し、中央選挙管理委員会が期日を告示する。ここまでで1年以上が想定される。
一度や二度の国会会期での可決は難しく、総選挙や国会閉会、他の重要案件で足踏みする時期も出てくる。
発議から投票日までの運動期間は60〜180日。
国政選挙よりかなり長い。候補者はおらず、国民すべてが運動の主体だ。
公職選挙法は適用されず、謙虚運動の制限はない。
南部さんは「欧州連合(EU)離脱を決めた6月の英国民投票のようなお祭り騒ぎになるのでは」と想像する。
国民投票は過半数で改憲が成立。
30日以内に天皇が公布する。

○改憲国会
実際はさらに時間がかかりそうだ。まず、与党だけでの改正原案起草や、憲法審査会での強行採決は考えにくいという。
「改正は国民投票で決まる。国民の理解を得るために拙速な国会運営はできない」
改憲勢力が3分の2以上を占めるとはいえ、主張はそれぞれ異なり、可決には野党の協力が必要。
国民が望まなければ「採決に協力するなと野党に圧力をかけることで発議を止められる。そのチャンスは衆参で2回ある」。
現在の衆院の任期は2018年12月。それまで改憲手続きを進めても、途中で時間切れとなる可能性もある。
そこで解散総選挙という考えも出てくると南部さんは指摘する。
「今、解散すれば、以後じっくり改憲できる」
安倍晋三首相の自民党総裁任期は、最長で21年まで延長する可能性がある。
もし総選挙となれば、待っているのは「改憲国会」。
南部さんは「19年初頭には初の国民投票があるかもしれない」と話している。


0 件のコメント:

コメントを投稿