2017年11月22日水曜日

ジュゴン訴訟 米原告団、27日来沖「辺野古の現状確認」

《ジュゴン訴訟 米原告団、27日来沖》辺野古の現状確認
〈琉球新報2017年11月22日 30面〉

名護市辺野古の新基地建設を巡り、日米の住民や自然保護団体が米国防総省を相手に起こした米ジュゴン訴訟で、米国側の原告団が27日来沖する。
現地視察や日本側の支援者との意見交換を行う。一行が県を訪れるのは、2003年に訴訟が始まって以降2回目となる。ジュゴン訴訟は連邦地裁での差し戻し審理が確定しており、原告団らは辺野古の現状を把握し、本国の弁護士らに最新情報を共有することで、次の裁判に備える。
来沖するのは生物多様性センターのピーター・ガルビンさん(生物学者)や、原告団の弁護を担当する米環境保護法律事務所アースジャスティスの弁護士ら9人。
12月2日までの滞在中、辺野古海上や米軍キャンプ・シュワブゲート前の抗議行動にも参加するほか、稲嶺進名護市長と面談する。
最終日の2日にはシンポジウムに参加し、訴訟の状況や今後の展開などについて説明する予定。
新基地建設に伴う環境影響を確認するため沖縄防衛局が8月25日から9月30日まで実施したジュゴン調査では、辺野古・大浦湾にも近い辺戸岬や安田地先海域で180回の鳴き声が確認されている。

原告の1人である東恩納琢磨名護市議は「米国家歴史保存法に基づけば、ジュゴンは国をまたいで保護されるべき重要な生物だ」と強調し、米側の原告団と連携し緊急対策を講じる必要性を説いた。

《辺野古弾薬庫を再開発》米軍計画「移設前提の新任務対応」

《辺野古弾薬庫を再開発》米軍計画「移設前提の新任務対応」
〈琉球新報2017年11月22日 1面〉

米軍普天間飛行場の移設先キャンプ・シュワブ北側に隣接する米軍辺野古弾薬庫について、米海兵隊が「大規模な土木工事」を伴う再開発を計画していたことが21日、海兵隊による2014年作成の内部文書で分かった。辺野古移設を前提とした「新たな任務」への対応が目的。計画は5年ごとの更新で、現在も維持されているとみられる。

海兵隊施設である同弾薬庫の詳しい実態は不明で、琉球大の我部政明教授によると、再開発計画が明らかになるのは初めて。普天間飛行場移設後を見据えた周辺の基地機能の再編・強化が目的の可能性がある。
「自然資源・文化資源統合管理計画」と題された文書は14年9月に、アジア太平洋地域の海兵隊施設を所管する司令官(少将)が承認した「最終案」。
普天間飛行場代替施設の運用開始を22年またはその後と想定。普天間飛行場から、航空部隊や司令部など全てが移転されるとした。
それに向け、キャンプ・シュワブと辺野古弾薬庫の再配置の必要性に言及。弾薬庫で「13の弾薬庫を取り壊し、12の新たな弾薬庫と武器の組み立て区画とする。未開発地を含む大規模な土木工事が必要だ」と明記した。
文書は海兵隊が、沖縄の訓練地域の環境保全と活用を目的に作成。米国の非政府組織(NGO)「生物多様性センター」が情報公開請求で入手した。
防衛省沖縄防衛局は「米軍内部文書について答える立場にない。米軍再編に関する工事計画は日米間で協議し、行為され次第速やかに公表する」としている。

《進む基地機能強化》辺野古弾薬庫大改修計画〈琉球新報2017年11月22日2面〉
米海兵隊の米本土外の最大拠点である沖縄本島では、普天間飛行場の本島北部への移設計画に連動したとみられる基地機能再編・強化の動きが進んでいる。米軍辺野古弾薬庫の開発もこの一環の可能性がある。米軍機事故などで地元住民の懸念は強く、日米両政府には情報開示と丁寧な説明が求められる。

北朝鮮の脅威などが強まる中、北部では辺野古弾薬庫開発に加え、北部訓練場の約半分の返還、それに伴うヘリコプター離着陸隊(ヘリパット)の新設などが続いた。米軍伊江島補助飛行場では、海兵隊仕様のF35B最新鋭ステルス戦闘機の離着陸のために改修工事が計画されているという。
一方で輸送機オスプレイの不時着、大破や緊急着陸のほかCH53E大型輸送ヘリの不時着、炎上事故なども起きている。

専門家は、弾薬庫開発は「普天間代替施設建設計画を量と質で拡張、強化するものだ」と指摘。情報開示が不十分だとして懸念の声も出ている。

オキシトシン

オキシトシンは、視床下部の室傍核と視索上核の神経分泌細胞で合成され、下垂体後葉から分泌されるホルモンであり、9個のアミノ酸からなるペプチドホルモンである 。「幸せホルモン」、「愛情ホルモン」とも呼ばれ、ストレスを緩和し幸せな気分をもたらす。 ウィキペディア
モル質量: 1,007.19 g/mol
CAS登録番号: 50-56-6
PubChem CID: 439302

《良き隣人とは言えない》翁長沖縄県知事・ニコルソン在沖米軍四軍調整官面談

《良き隣人とは言えない》翁長沖縄県知事・ニコルソン在沖米軍四軍調整官面談(要旨)〈琉球新報2017年11月21日3面〉

【翁長雄志知事】
米海兵隊員が飲酒の上に勤務時間外に公用車を持ち出し無法な運転を行った結果、突然命を奪われた被害者の無念を思うと言葉も無い。
飲酒運転防止に向けた米側のこれまでの取り組みは極めて不十分なものであったと判断せざるを得ない。一時的ではなく抜本的な対策を強く求める。綱紀粛正・再発防止に努めると言っても、県民は疲れ果てて何ら信用できない。とても良き隣人とは言えないという状況になっている。

【ニコルソン在沖四軍調整官】
非常に残念で悲しく言葉で表せない。哀悼の意、お悔やみを、被害者、ご家族に米国民を代表して表したい。このような事故が起き深く謝罪する。知事、県民の怒りに対して言い訳もできない。これまでさまざまな取り組み、改善をしてきたが努力が足りなかった。心からのおわびを申し上げる。

【翁長雄志知事】
ぜひ日本政府に沖縄の基地負担を軽減するような話をしてほしい。

【ニコルソン在沖四軍調整官】
トランプ大統領のアジア歴訪で日本が最初の訪問地になったことは、日米同盟が非常に重要だと強調するものだ。
この地域の脅威に、われわれは何かあれば迅速に展開できるように準備するとともに、沖縄の人々への影響を削減するように訓練を行っていく。この二つの責任に真剣に取り組んでいる。

【翁長雄志知事】
日米の安全保障を守るために沖縄は我慢しろというのは、県民には「もう嫌だ」という気持ちがある。この気持ちをどこに発散したらいいのか。

【ニコルソン在沖四軍調整官】
いまグァムで大きな施設の建設が行われており、沖縄の海兵隊の移転先となる。ハワイにも3千人の海兵隊が移転する。C130も岩国基地に移転し、前進はしている。

【翁長雄志知事】
グァム、ハワイに海兵隊が移転するからには将来的には基地負担が軽減するということだが、では、10年先も見えないような辺野古埋め立てて、新しい海兵隊基地を造るのはやめてもらえないか。

【ニコルソン在沖四軍調整官】
ワシントンと東京はその問題で綿密に協力しており、建設計画の決定は東京でなされた。

【翁長雄志知事】
いつも米国は東京のせいにし、東京は米国に何も言えない。こういう2国間の状況で沖縄の問題は全く解決しない。
沖縄という砂上の楼閣に日米安全保障は載っている。万が一、大型ヘリやオスプレイが住宅地に落ちたら、もう県民は耐えられない。

【ニコルソン在沖四軍調整官】
普天間基地の移転やキャンプ・キンザーの返還で沖縄の負担が減る。

【翁長雄志知事】
沖縄県は観光で成り立っている。辺野古沖を含めて北部は世界自然遺産登録という形で観光が大きく伸びる素地がある。オスプレイが100機も飛び交っては、観光客からすると魅力のない沖縄になる。

【ニコルソン在沖四軍調整官】
米国、沖縄、日本のトップレベルがあって、この諸問題を解決すべく取り組み、沖縄の人々にも受け入れられるような解決を模索していければと考える。

【翁長雄志知事】

KC130が岩国に移っても、F35が沖縄に来た。決して負担軽減になっていない。

在沖米軍外出禁止、日本全体に禁酒令

《在沖米軍 外出禁止》日本全体に禁酒令 四軍調整官が謝罪
〈琉球新報2017年11月21日 1面〉

【米兵飲酒死亡事故】
翁長雄志知事は20日午後、在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官と県庁で会談し、19日の米海兵隊員による飲酒運転死亡事故について「綱紀粛正、再発防止に努めると言っても、県民は疲れ果てて何ら信用できない。とても良き隣人とは言えない」と批判した。
ニコルソン氏は「これまで改善してきたが努力が足りなかった。心からお詫びする」と謝罪した。在日米軍は20日、事故を受け在日米軍人の酒の購入や飲酒を全面的に禁止したと発表した。沖縄では基地と住居の移動を除き外出も全面禁止した。

【知事「何ら信用できず」】
知事の抗議に先立ち富川盛武副知事は20日午後、川田司沖縄担当大使と中嶋浩一郎防衛局長を県庁に呼んで抗議し、米側に再発防止策などを働きかけるよう求めた。富川副知事は「あってはならず人命が失われ改めて憤りを禁じ得ない」と批判した。
さらに「公務外であるのにも関わらず、なぜ公用車が運転に使われたのか。大きな疑問を持っている」と米軍の公用車管理の在り方に疑問を呈した。被害者への迅速な補償も求めた。中島局長は「(補償は)まず親族に接触してできるだけしっかり対応したい」とした。
知事と会談したニコルソン氏は、県警の捜査への協力を約し「非常に残念で悲しく言葉では言い表せない。米国民を代表して哀悼の意を被害者と家族に表したい。これまで改善してきたが、努力が足りなかった。心からお詫び申し上げる。基地があるが故の影響を削減していく」と謝罪した。会談後、記者から公務外で公用車を使った経緯を問われ「調査中」と述べた。
在日米軍の飲食禁止令の期間は「別途、通知があるまで」と明記していない。近く新たな外出・飲酒規制(リバティ制度)を発出するまでの一時的措置とみられる。在日米軍は今後「責任あるアルコールの摂取」などに関する研修を実施する。沖縄での飲酒や外出の全面禁止措置は、同研修などを経た上で緩和される可能性が高い。

《知事「基地分担を」》〈琉球新報2017年11月21日 2面〉

【副知事「悪質な事案」】沖縄大使らに迅速補償訴え

19日早朝に起きた米海兵隊による飲酒運転死亡事故について富川盛武副知事は20日、外務省沖縄事務所の川田司沖縄担当大使と沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長を県庁に呼び、抗議した。富川副知事は「極めて悪質な事案。尊い命が失われたことに強い憤りを禁じ得ない」と述べ、遺憾の意を表明した。
富川副知事が「一番心配なのは被害者の方への補償。ぜひとも迅速な対応をお願いしたい」と訴えたのに対し、中嶋局長は「まずは親族の方にお会いさせて頂いて、しっかりと対応したい」と述べ、国として果たすべき責任について言及した。
川田沖縄担当大使は事故後「ニコルソン四軍調整官に対して抗議し、再発防止と綱紀粛正を要求した」と明かした。
また、ニコルソン氏からは謝罪の言葉があったと話した。

【県内各政党 国に抗議】「公用車使用、原因究明を」
米海兵隊による飲酒運転死亡事故を受け、県内政党が20日、相次いで国に抗議した。公明党県本は外務省沖縄事務所、共産党県委と日本維新の会県総支部は沖縄防衛局に抗議した。議員からは「もう二度とこのような事故を起こさないでほしい」、「なぜ公用車を持ち出せたのか明らかにして欲しい」などの声があがった。
公明党沖縄方面本部と党県本は、外務省沖縄事務所で川田司沖縄担当大使に速やかな事故の原因究明や遺族への補償などを求める申し入れ書を手渡した。川田大使は「あってはならない言語道断の事故であり、大変遺憾に思ってる。綱紀粛正と再発防止策を強く求めていく」と答えた。
金城勉県本代表は「事件・事故が起こるたびに申し入れてきたが、それが生かされて残念だ。速やかに原因究明し、再発防止策を求めて欲しい」と申し入れた。
共産党県委の真栄里保基地対策責任者らは沖縄防衛局の鍋田克己管理部長次長に、今後も米兵の基地外の外出を禁止することや在沖米軍基地の撤去を求めた。真栄里しは「最も抜本的な解決は基地の撤去だ。これ以上県民の命が失われないようにして欲しい」と求めた。鍋田管理部次長は「われわれも遺憾だ。リバティ制度が終わり、元に戻るのでは意味がない。厳しくチェックしていく」と答えた。
日本維新の会県総支部の當間盛夫幹事長らは「なぜ公用車だったのか。また飲酒運転について、基地のゲートのチェック体制もどうだったのか」と問い、早急に明らかにし、被害者への完全補償するよう求めた。
中嶋浩一郎局長は「賠償は責任を持って当たる。飲酒絡みの事故が根絶されていない。米側に強く働きかけていき、徹底させたい」と答えた。

【禁止令 県冷ややか】飲酒米兵追突『「ゼロ宣言直後」に事故』

米海兵隊による飲酒死亡事故から一夜明け、在沖米軍トップが県庁に赴き謝罪した。ニコルソン四軍調整官は何度も「謝罪」という言葉を口にし、再発防止に全力を尽くす姿勢を示したが、効果には懐疑的な見方が広がる。県は抜本的な対策として米軍基地の全国での負担を求めたが、米側の返答なかった。日本政府も踏み込んだ姿勢を示さず「遺憾」との言葉を繰り返すのみだ。

「基地内に飲酒運転を禁じる看板を掲げ、テレビCMを流してる。飲酒運転の数は減っている。不祥事をゼロにすることが私のゴールだ」16日、在沖米海兵隊の司令部があるうるま市のキャンプ・コートニーでの記者会見で米軍の事件・事故防止の取り組みを強調したローレンス・ニコルソン四軍調整官。「NOT ONE DROP(一滴たりとも飲んだら乗るな)」。基地内に掲げているというこの言葉を何度も繰り返した。それからわずか3日。海兵隊員の飲酒による交通死亡事故で県民の命を落とした。飲酒運転防止対策の効果に自信を深めていただけに米軍内にも衝撃が走った。
米軍は事故発生日のうちに、翌日県庁訪れる旨を県に伝えた。米軍の危機感を反映するかのように、当初は在沖米海兵隊ナンバー2のポール・J ・ロック 准将が県庁を訪れる予定だったが、当日、在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官に変更した。エレンライク総領事も同席し、2人そろって知事に何度も頭を下げた。

【どうせ期間限定】
米軍は事故を受け、県内に駐留する全ての兵士に外出禁止と基地内外での飲酒禁止を発令。迅速な対応を示した格好だが、県庁内の受け止めは冷ややかだ。
「緊急処置として取らざるを得なかったのだろうが、どうせ期間限定でしかない」。県幹部は禁止令の効果は限定的だとみる。
「正直、もう基地から出るなと言いたい」。別の幹部もこう本音をつぶやいた。
知事は米軍への抗議の席で、今回の事故だけでなく東村での大型ヘリ炎上事故、昨年の名護市安部でのオスプレイ墜落事故、そして昨年4月のうるま市での女性暴行殺人事件にも言及した。
そして「ぜひニコルソンさんからも日本政府に対し『沖縄には米軍基地が多すぎる。これでは犯罪は軽減できない。日本全体で基地を負担して行こう』と提案してほしい」と求めた。事件・事故を防ぐ”抜本的”な対策は、全国で基地負担を分担することだという県側からのメッセージだった。

【溝深く】
「累次にわたり再発防止と綱紀粛正の徹底を申し入れてきたにもかかわらず、事件が発生したことは極めて遺憾だ」。事故を受け、菅義偉官房長官は従来より強気な姿勢を示して見せた。今後も事故の詳細が判明し次第「適切に対応していく」とさらに踏み込んだ対応に含みをもたせた。
ただ、今回の事故では日米地位協定など日米関係にかかわる問題は現時点では出ていない。防衛省関係者も菅氏の発言は今後、「何らかの問題があった場合」に対応すると表明したものに過ぎないと解説する。菅氏の強気な態度は捜査上の障壁がないことから生じる「自身」に基づく”虚勢”にとどまる 可能性もある。
日本全国での米軍基地の分担を求める県側と、問題が起こったら対応するという事後処にとどめようとする政府。両者の溝が改めて浮き彫りになっている。

【基地反対再燃も】米メディア一斉報道 (ワシントン発)
米主要メディアは19日、那覇市で起きた米海兵隊員による飲酒運転死亡事故と、在日米軍人を対象にした基地内外での飲酒禁止を一斉に報じた。2016年4月に発生した米軍属女性暴行殺人事件の裁判や、同3月の米海軍兵による女性暴行事件などにも触れ、ABCテレビ(電子版)は「この事故は、沖縄での米軍プレゼンスに対する反対を再燃させる可能性がある」などと伝えた。
ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「沖縄に駐留する米兵の事件は、日米の緊張の源となってきた」と伝え、ワシントン・ポスト(同)は翁長雄志知事の「毎回同じことの繰り返しで言葉がない」という発言を紹介した 。AP通信は「地元住民が米兵の犯罪に対する懸念を示してきた沖縄で、米軍のプレゼンスに対する反対が強まる可能性がある」と指摘。NBCテレビ(電子版)は在沖米軍基地に対する県民の抗議についても伝え、昨年6月の県民大会の動画も載せた。
米軍事専門サイト「ミリタリー・ドット・コム」は、沖縄では米兵の飲酒絡みの事件・事故に伴う飲酒禁止がほぼ慣例になっており、2016年だけで少なくとも3件の飲酒絡みの事件・事故が発生したと指摘。特に、米軍属女性暴行殺人事件の公判中に発生した今回の事故は「米軍関係者にとって特に悪いタイミングで起こった」と報じた。

【菅氏「極めて遺憾」】事故詳細踏まえ対応
菅義偉官房長官は20日の会見で、19日早朝に起きた米海兵隊による飲酒運転死亡事故について「累次にわたり、この種の事故の再発防止と綱紀粛正の徹底を申し入れてきた。にもかかわらず、本件事件が発生したことは極めて遺憾だ」と述べた。
菅氏は防衛、外務両省が在日米軍や駐日米国大使館に遺憾の意を伝え、綱紀粛正、再発防止を求めてると説明。同時に遺族への誠意ある対応を申し入れているとした。
また県警の捜査を踏まえ、事故の詳細が明らかになった場合は「それを踏まえて適切に対応していく」とした。同時に事故を起こした米兵が公用車を運転しながらも制服を着てなかったため、規則を順守すべきとの姿勢も示した。

【《もう勘弁してくれ》米兵飲酒死亡事故】米へ抗議『知事、表情厳しく』

「もう勘弁してくれ」。米海兵隊員による飲酒運転死亡事故から一夜明けた。20日、目の前に立つ在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官に対し、翁長知事は率直な言葉を次々とぶつけた。
「何も信用できない」と抗議する知事に対し、ニコルソン氏は終始、厳しい表情を崩さなかった。

県庁6階の知事応接室。報道陣の間から翁長知事が姿を見せると、一足先に入室していたニコルソン氏とジョエル・エレンライク総領事が頭を下げて迎えた。
知事が用意した紙を読み上げる。「『綱紀粛正、再発防止に努める』と言っても、県民は疲れ果てて何の信用もできない。とても『良き隣人』とは言えない。県民は『もう勘弁してくれ』という気持ちだ」
知事とニコルソン氏の距離は1 m ほどで、傍らに通訳がたった。知事の発言に時折、小さく頷いたニコルソン氏。知事が抗議文を手渡すと、お辞儀して受け取った。
直立したニコルソン氏は「様々な取り組みで改善してきたが、努力が足りなかった」と述べた。「心からお詫び申し上げる」と深々と頭を下げると、カメラのフラッシュが一斉に光った。
「私たちの気持ちを聞いてもらいたい」。着席後、そう強調した翁長知事は沖縄戦以来、強いられ続ける沖縄の苦難に言及した。時に「返事はいらない」と前置きし、「県民からしたら『もう嫌だ』と。この気持ちはどこに発散すればいいのか」と問いかけた。
ニコルソン四軍調整官はメモを取ることもなく知事の言葉を聞き、「基地負担軽減の努力」を強調した。同氏が深く息を吐いた後、会談は終わった。予定の30分間を10分超過していた。エレンライク氏は一言も発することなく、退室する知事の後ろ姿を見やった。

【防犯カメラに米軍トラック】きょう容疑者送検
飲酒運転していた米海兵隊員の米軍公用車2トントラックと衝突し、軽トラに乗っていた那覇市の会社員、平良英正さん(61)が死亡した事故で、那覇市内の事故現場周辺に設置された防犯カメラの映像によると、事故発生時間帯に周辺の車より速い速度で国道58号線を走行する米軍公用トラックとみられる車両が映っていた。
那覇署は20日、引き続き自動車運転処罰法違反(過失運転致死)と道路交通法違反(酒気帯び運転)の容疑で逮捕していた米海兵隊牧港補給地区所属の米海兵隊上等兵ニコラス・ジェームズ・マクリーン容疑者(21)から事情聴取した。同署は21日にジェームズ・マクリーン容疑者を那覇地検に送検する予定。

【飲酒制限では甘い】09年ひき逃げ被害 神山さん強調
2009年4月に那覇市松山で米兵が男女3人をひき逃げした事故で大けがを負った神山優樹さん(32)=南城市、会社員=は今回の飲酒運転死亡事故で在日米軍が在日米軍人の飲酒を制限する措置を発表したことについて「米軍の考え方が甘い。酒の購入や飲酒を制限したぐらいでは良くならない」と強調した。
09年4月4日、亀山さんは知人の2人と那覇市松山交差点で青信号の横断歩道を歩行中、海兵隊の米兵が運転する車両にはねられた。突然、大きな鉄の塊に殴られたような感覚で飛ばされ、地面に叩きつけられた。骨盤骨折や恥骨骨折、全身打撲などを負い、職場に復帰するまで約半年を要した。
当時、ひき逃げした米兵は事件直後、米軍キャンプ・ハンセン内に逃げた。県警がが任意で事情聴取できたのは翌日以降で、時間経過により飲酒運転かどうか確認できなかった。繰り返される米兵の事件・事故に対し「罪を犯しても逃げられると思っているのではないか。その意識が問題だ」と根底に日米地位協定があるとの認識を示した。
日米地位協定の改定や基地撤去を求めても、実現には時間がかかるとも指摘し「外国人に酒を提供する時には、店として身分証を提示してもらう取り組みをした方がいい。沖縄側ができることから始めないといけない」と提言した。

【Yナンバー車 落書きされる】

県警は20日、北谷町北前や宜野湾市大山で19日夜から20日朝にかけ、米軍関係者が使用する車両30台やアパート、マンションなどの外壁にラッカースプレーのような塗料で落書きされているのが見つかったと発表した。29台はYナンバーで、1台は沖縄ナンバーだった。車両に「Y」などの文字が書かれていた。那覇市では19日、米海兵隊員が飲酒死亡事故を起こした疑いで逮捕されている。県警は器物損壊事件として捜査してる。

2017年11月21日火曜日

奄美でも低空飛行訓練

《奄美でも低空飛行訓練》環境報告書に記載なし〈沖縄タイムス2017年11月20日 2面〉


昨年12月に普天間飛行場所属の輸送機MV22オスプレイが名護市安部の海岸に墜落した事故で、米軍が公表した事故調査報告書と付属資料から、米海兵隊が奄美大島上空で低空飛行訓練を実施していることが、19日までにわかった。この低空飛行ルートは普天間配備に伴う米軍作成の環境審査報告書(レビュー)に明記されていないが、恒常的に訓練してる可能性もある。米軍の活動を監視する市民団体リムピースの頼和太郎編集長が分析した。


【普天間所属オスプレイ】


事故調査報告書には「奄美低空飛行ルートを高度500フィート(約152 m)、 速度240ノット(時速444キロ)で飛行してた」と記述されている。 奄美上空で訓練を実施した事実は明らかだが、ルートの詳細は示されていなかった。
頼氏は、当日の事故機を含むオスプレイ2機の機首の向きや飛行距離、直線区間ごとに記録した資料を分析。普天間を離陸後、通過した地点を線で結び、奄美大島上空に低空飛行ルートが設定していることを見つけた。
事故機は奄美大島の南西から低空飛行ルートに入り、反時計回りに約28分で2周した後、ルートを抜けた。低空飛行ルートは奄美大島の西半分と一部海上を通ってる。高度は海上で500フィート、陸上で地上から500フィートを飛んでいたことが分かるという。
奄美大島上空で最も高く飛んだ地点は1980フィート(約603 m) 近くに奄美最高峰の湯湾岳(標高684 m)があることから、山頂より80 mほど低く飛んでいたとみられる。
米軍の環境レビューによると、オスプレイは山口県岩国基地と静岡県のキャンプ富士を拠点に、六つの訓練ルートで低空飛行訓練すると明記し、うち一つは奄美諸島からトカラ列島に至る「パープル」と呼ばれるルートだが、奄美大島上空は含まれていない。
事故機の当日の飛行計画は奄美大島で低空飛行訓練した後、キャンプ・ハンセンやシュワブで夜間着陸訓練を繰り返し、沖縄本島の東海域で空中給油訓練することになっていた。頼氏は複数の訓練を組み合わせるために、沖縄本島周辺に低空飛行ルートが必要で、新たに設定したのではないか。米軍が都合よく利用できるだろう」と話した。
低空飛行ルートを設定したかどうかについて、沖縄タイムスは10月26日、在米海兵隊に質問したが11月19日までに返答はない。


【根拠規定なく 区域外で訓練】
奄美大島上空を含め、オスプレイの低空飛行訓練ルートは、そもそも日本が米軍に提供してる施設・区域ではなく、また、米軍が提供施設・区域の外で訓練できる根拠は、日米地位協定などで明確な規定はない。日本政府は、日米安保条約の目的達成のため、即応体制を整える観点から、低空飛行訓練を含む必要な訓練を施設・区域の外で実施することを「当然の前提」として解釈してるが、「説明が不十分」との批判も多い。
安保条約では、日本が施設と区域を提供し、米軍が使用することを認めるが、施設・区域の外での訓練に関する規定はない。地位協定も、米軍は施設・区域の間や日本の港、飛行場との間を移動することができると定めるが、施設・区域外での訓練については明記されていない。
政府は2013年の福島瑞穂参議院議員の質問主意書への答弁書で「安保条約は、その目的達成のため、米軍が軍隊としての機能する機能に属する諸活動を一般的に行うことを当然の前提としている」とし、低空飛行訓練はその諸活動に含まれると説明している。
さらに、地位協定は実弾射撃訓練のように本来施設・区域内での実施を想定している活動を除き、施設や区域の外で訓練することを認めてると解釈し、施設・区域の外での訓練を容認する姿勢だ。
軍隊の駐留を認める以上、軍隊としての諸活動を当然に認めるという考え方だが、法律家の間でも「提供施設・区域の中で成り立つ解釈であり、その外で訓練することを認める根拠にはならない」と批判が多い。
県は今年9月に日米両政府へ提出した地域協定の見直し要請書の中で、「演習または訓練については、提供施設・区域内において行われるべきである」と求めている。

日本版トマホーク

《日本版トマホーク開発へ》
【政府検討 対地・対艦ミサイル】〈読売新聞2017年11月20日 1面〉

政府は、地上の目標を攻撃できる巡航ミサイルを開発する方向で検討に入った。防衛省が2018年度から研究を始める予定の対艦ミサイルに対地攻撃能力の付加を計画してるもので、日本が対地巡航ミサイルを本格的に開発するのは初めてとなる。敵に占領された離島の奪還が主目的だが、敵基地攻撃も性能上は可能で、北朝鮮への抑止力向上にもつながる見通しだ。

巡航ミサイルは搭載したレーダーのなどによって攻撃目標に向かう精密誘導兵器で、弾道ミサイルが放物線を描いて上空から飛来するのに対し、飛行機のように翼とジェットエンジンで水平思考する。米国のトマホークとの共通点が多いことから、防衛省内では開発するミサイルを「日本版トマホーク」と位置付けている。
18年度予算の概算要求では「島嶼防衛用新対艦誘導弾」の研究費77億円を計上。新型対艦ミサイルの研究開始として公表しているが、技術的に共通点が多い対地ミサイルの機能を持たせる方向で検討を進める。22年度に試作品の完成を目指す。
計画段階では射程は300 km 以上で、専用車両や護衛艦、P1哨戒機、戦闘機などから発射可能にする。全地球測位システム(GPS) などを利用しながら低空で飛行し、目標直前で搭載したレーダーに切り替え、破壊する方式を想定。ステルス機能を高めた形状とし、米国のトマホークより敵のレーダー網をかいくぐりやすくするほか、飛行途中で進路を変えるなど、より迎撃されにくくなる機能も検討する。
政府が対地と対艦を兼ねる巡航ミサイル開発を検討するのは、中国軍が海洋進出と装備の近代化を同時並行で進めていることへの危機感からだ。ミサイルが実戦配備されれば、離島に接近する艦船や、上陸した地上部隊への攻撃能力が大幅に向上する。ミサイルを搭載する艦船や航空機を敵地近くに展開すれば、敵基地攻撃での利用も可能となる。
ただ、政府は敵基地攻撃能力について、憲法上認められているが、専守防衛の観点から政策判断として保有しないとの立場だ。政府・自民党内には北朝鮮情勢を踏まえ、敵基地攻撃能力の保有を求める意見もあるが、まずは離島防衛に主眼を置いて開発を進める構えだ。日本が過去に開発した巡航ミサイルに分類できる装備は対艦用としてのもので、車両発射型の88式地対艦誘導弾や、これを改良した90式艦対艦誘導弾や93式空対艦誘導弾などがある。

【「敵基地攻撃」慎重に議論】政府 防衛大綱見直しに合わせ
「日本版トマホーク」
政府は、対地攻撃能力を持つ巡航ミサイルの開発に向けた向けた検討に入ったが、性能上は可能となる敵基地攻撃能力の保有については、来年末に見込まれる「防衛計画大綱の見直し」に合わせ、慎重に議論を進める方針だ。

防衛省が「日本版トマホーク」と位置付ける対地攻撃能力を持つ巡航ミサイルが配備されれば、離島防衛能力の強化につながる。航空自衛隊に配備予定の最新鋭ステルス戦闘機「F35」にも、同じ目的でノルウェーが主体となって開発中の別の空対地ミサイル導入を検討している。
もっとも、対地ミサイルは敵基地攻撃能力に直結する装備だ。政府は敵基地攻撃能力について、憲法上認められているものの、専守防衛の観点から政策判断として保有しないとの立場をとっているが、「対地ミサイルの開発や導入をするならば、敵基地攻撃の議論は避けては通れない」(防衛省幹部)との見方がある。
政府内に敵基地攻撃能力保有を求める意見は根強くあるのは、北朝鮮が多数のミサイルを同 時着弾させる「飽和攻撃」を仕掛けた場合、全てを迎撃するのは困難とみられているためだ。外務省幹部は「発射前にミサイル基地や移動式発射台を叩く能力を持てば、抑止力は格段に上がる」と説明する。
一方、安倍首相が目指す憲法改正が敵基地攻撃能力の議論に影響するとの見方もある。自民党は憲法への自衛隊の明記を衆院選公約で掲げており、「憲法改正と敵基地攻撃能力保有の『二兎』を追えば、野党から『自衛隊に戦争させるのか』との批判を招き、両方失敗しかない」(政府関係者)というわけだ。
実際、首相は今年8月、敵基地攻撃能力の保有について「現時点で具体的な検討を行う予定はない」と慎重な見方を示した。憲法改正論議と防衛大綱見直しの検討の時期が重なるため、政府内には「二者択一なら首相は憲法改正を優先する」(国家安全保障局幹部)と見る向きもある。
仮に敵基地攻撃能力を保有する政策判断に舵を切っても、対地ミサイルだけでは不十分で、目標を探す人工衛星や偵察機などの装備体系全体の拡充が伴う。防衛予算全体の底上げに向けた議論も必要になりそうだ。