2017年11月19日日曜日

遺族、極刑求める

《命をもって償って》《苦しみずっと胸に》
米軍属女性暴行殺人第2回公判『遺族、極刑求める』〈琉球新報2017年11月18日 1面〉

2016年4月に発生した米軍属女性暴行殺人事件で、殺人や強姦致死などの罪に問われた元海兵隊員で事件当時軍属のケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告(33)の裁判員裁判第2回公判が17日、那覇地裁(柴田寿宏裁判長)で開かれた。前日の初公判に続きケネス被告は「黙秘権を行使する」と供述を拒否した。一方、被害者の父親は法廷で「遺族は極刑を望みます。命をもって償ってください」と述べた。

【被告再び黙秘】
母親も証言台に立ち、代理人の代読で意見陳述した。母親は「いまだに心の整理がつかない。娘は恐怖におびえ、痛み、苦しみの中でこの世を去りました。
悔しいです。無念で胸が張り裂ける思いです。娘の命を奪った殺人者は生かしておくべきではありません」と裁判官らに訴えた。
ケネス被告はこの日も二度被告人質問を受けたが、弁護側と検察側の双方の質問に黙秘を貫いた。
公判では被害者の遺体を鑑定した法医学の医師の証人尋問も行われた。殺意の有無が争点となっているが、医師は犯行状況と死因の関係性について遺体が白骨化しているているため「裏付けられない」と述べた。その上でケネス被告が被害者の頭を皮で覆われた金属製の打撃棒で殴ったり首を絞めたりしたほか、ナイフで首を後ろから刺した行為などについて「(受けた人は)死に至る可能性がある」と指摘した。
この日の証拠調べを終えた。次回24日に論告求刑公判が開かれ結審して12月1日、判決が言い渡される。

《被告 表情変えず》軍属殺人 第2回公判 〈琉球新報2017年11月18日 33面〉

「黙秘権を行使する」米軍属女性暴行殺人事件で17日、ケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告(33)の第2回公判が開かれた那覇地裁。検察側から「被害者遺族に言っておきたいことはあるか」と問われたケネス被告は16日に続き黙秘をした。検察側の席にいた被害女性の父親は真っすぐ天井を見つめ、傍聴席にいた母親は「はぁ・・」と声を出しハンカチに顔をうずめた。

【席、証言台で頬づえ】
法廷内のあちこちでむせび泣く音が響いた。「命をもって償って」「心は地獄の中で生きている」-。黒い服に身を包んだ両親は何度も涙を拭い、まな娘を失った心情を吐露し極刑を求めた。
ケネス被告は初公判に続いて半袖シャツ、紺色の長ズボン、はだしに黒サンダル姿で、証言台でも被告人席でも頬づえをついていた。英訳される審理内容をイヤホンなどを通して聞き入った。
母親は事件直後、仕事を辞めるほど精神的に動揺していたと言い、現在も憔悴している様子だった。母親と共に証言台に立った遺族側の弁護士が、母親に代わり意見陳述を読んだ。母親は涙を流しながらケネス被告を見つめた。ケネス被告は時折うつむき、母親に目を向けた。複数の裁判員も母親の意見陳述に涙した。
父親は意見陳述で多くを語らずも、裁判長を見つめてはっきりと極刑を望んだ。
検察官が読み上げた供述書では、生前の娘とのやり取りなどが詳細につづられていた。最後に会ったのが成人の日で、娘の晴れ姿を携帯電話で撮影したという。「体に気を付けてよ」と声を掛け握手を交わしたが、同じ手を再び握ることはなかった。
「わが子が娘と同じように殺害され、見知らぬ山林に捨てられたらどういう気持ちになるのか考えてほしい」。供述調書を読み上げている検察官を通して、幼い子がいるケネス被告に語り掛けたが、反応はなかった。父親は供述が読み上げられている間、終始涙を流し、うつむいていた。
ケネス被告の表情は、法廷を出ていくまで変わることはなかった。

《犯行状況把握 裏付けられず》鑑定医が証言
女性の遺体を鑑定した琉球大の二宮賢司医師は、証人尋問で犯行状況について「(遺体が)ほとんど骨しか残っていないため鑑定では裏付けられない」とした。頭蓋骨には骨折はなかったと証言した。「暴行時に女性が転倒し、頭を強く打ったことが死亡につながった可能性がある」という弁護側の主張には「酔った人がコンクリートに頭を打ち付け死亡した事例は存在する」としながら「草むらや土の柔らかい場所では考えにくい」と答えた。
ケネス被告が女性の遺体を遺棄する際に「彼女から音が聞こえた。生きているかと思い、ナイフで足などを刺して確認した」と供述していることに、弁護側が死亡した人から音が出るかを聞いた。二宮医師は「遺体の胃の中の空気が、動かされた時に口から出て音が出る可能性はある」と答えた。

《遺族「許せない」》「奪った命返して」父、絶望と動揺訴え
〈琉球新報2017年11月18日 32面〉

「かわいかった娘を返してほしい。奪った命を返してほしい」。17日に開かれた米軍属女性暴行殺人事件の第2回公判で、父親の供述調書が読み上げられた。娘への愛情や行方不明になった不安感、命を奪われた絶望感、被告に対する処罰感情などが伝えられた。
調書によると、父親は昨年4月29日午後4時ごろ、母親から行方不明になったことを知らされた。すぐに自宅を出て、その日の夜から懐中電灯を持って娘の自宅付近やウォーキングをしていた場所を歩いて捜しまわった。しばらく自家用車で寝泊まりしながら捜した。
しかし、「必ず生きて帰る」と信じた望みはかなわなかった。5月19日警察から「娘さんと思われる遺体が見つかった」という連絡が入り「頭が真っ白になった」
解剖を終えた娘の死体を引き取りに施設に行った。白骨化した娘の変わり果てた姿に我を忘れ「守れなくてごめんね」と叫んでいた。
初めての子どもで、明るく育ってほしいと名付けた。未熟児で生まれ、ほかの子より体が小さく心配したが「名前の通り誰からも親しまれる明るい子に育った」と成長を感じていた。
女性は亡くなる約4か月前に成人式を迎えた。振袖を着た娘の姿がうれしくて、写真を撮った。娘と別れる時に「体に気を付けてよ」と声を掛け握手した。口べたで握手することが最大の愛情表現だった。娘は照れくさそうに笑って握手を返した。「それが娘との最後の会話になりました」
事件後の母親はショックが大きく感情の起伏が激しくなり、精神的に動揺し現実を受け入れられない状況になっていた。
調書の中で父親は被告に「自分自身の人生すべてを懸けて償ってほしい」と処罰感情をぶつけた。

《被害者冒涜 反省なく》高里鈴代氏〈基地・軍隊を許さない行動する女たちの会〉
【傍聴記】
公判で意見陳述したご両親の精神的、身体的負担を考えると、とてもいたたまれない。検察官が読み上げた供述調書で、父親は被告に幼い子がいることに触れ「わが子が娘のように殺害され、山林に遺棄されたらどういう気持ちになるのか。被害者の親ならどういう気持ちになるのか」と問うた。
涙を流し、肩を震わせながら証言した両親の思いを被告はどういう思いで聞いていたのだろうか。被告は遺族に対して、反省や謝罪を表明する機会すら、黙秘権を行使した。
被告は公判前、弁護士を通じて米軍の準機関紙「星条旗」に自身の弁明を掲載した。「米国人には思いを伝えたい」という意向だったという。
「星条旗」には「居合わせた彼女が(被害女性)が悪かった」などと、被害女性に責任を転嫁するような表現があった。女性に対する乱暴は女性が抵抗しなければ「合意があった」などと主張され、抵抗すれば今回のように殺害される恐れがある。

被害者を冒涜する、これまでの被告の態度からは罪に対する反省の態度は全く感じられない。被告は自分の行った行為に正面から向き合うべきだ。

2017年11月18日土曜日

基地があるゆえ

《基地があるがゆえ》過重な負担浮き彫り  〈琉球新報2017年11月17日 30面〉

県民に大きな衝撃を与えた米軍属女性暴行殺人事件の裁判員裁判が始まった。復帰45年となった今も日米地位協定の抜本的改定はかなわず、米軍基地の縮小も進まない。被害者の父親をはじめ多くの県民が「基地があるゆえ」と声をそろえた今回の事件は、沖縄が抱える過重な基地負担を改めて浮き彫りにした。
証拠によると、ケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告は被害者の死体を入れたスーツケースや犯行時に着ていた服を勤務先であるキャンプ・ハンセン内のごみ捨て場に捨てたことが明らかになった。
2013年に米兵2人が集団女性暴行致傷の罪などに問われた裁判員裁判では、犯行の動機について「暴行しても捕まらないと思った」と述べるなど、米軍基地運用の在り方や日米地位協定による特権意識が犯罪を助長している側面を浮かび上がらせた。
今回の事件でも動機に注目が集まった。被告人質問で、被告が供述を拒否したため基地内で捨てた理由や犯行に至った経緯は直接語られず、事件の全容が明らかになることは難しくなった。しかし、基地が証拠隠滅の場所となっていた可能性は否定できない。
公判で弁護人は事件と反基地感情を混同しないよう裁判員に呼びかけた。被告の人権を守るための発言だが、逆に県民が深刻な米軍基地被害を受けている現状を鮮明にしたと言える。

《黙秘は県民へ不誠実》高里鈴代氏「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表

検察官の詳細な現場状況の説明に彼女の叫び声が聞こえてくるようだった。
弁護人は「一人の人間として被告を見るべきで、米軍基地の問題ではない」と述べたが、事件は米軍基地の存在と無縁ではない。(被告が被害者の)ひざの裏や首の後ろを狙って刺したのは「敵を完全に弱らせる」という米軍兵士時代に習得した訓練ではなかったか。検察の陳述で「スラッパーという鉄のと鉛でできた音の立ちにくい棒で襲った」と言っていたように、その武器を準備し、使ったことや、女性の遺体を運んだスーツケースを基地内で捨てたことなどは、米軍経験者や米軍属でなければできないことだ。
準備があまりに用意周到なことも気になった。本当に初犯なのだろうか。実は前にも成功例があるのではないかとさえ感じさせられた。

被告の黙秘は、県民の「真実を知りたい」という声に応じておらず不誠実だ。法廷で弁護士が読み上げた被告の陳述は、本当に自己弁護的で謝罪もなかった。弁護士が「被告を一人の人間として見るべき」と言うならば、被告の生い立ちや前歴がなかったのか、除隊のになったという軍歴など、本人がなぜ犯罪に至ったのか徹底的な究明が必要だ。

「沖縄 社会権対策を」国連人権理、日本へ勧告

《沖縄 社会権対策を》国連人権理、日本へ勧告 〈琉球新報2017年11月17日 7面〉

国連人権理事会で日本の人権状況の審査を担当する作業部会は16日、14日の審査会合の結果を受けて日本に対して218項目からなる勧告を発表した。
特定秘密保護法などで委縮が指摘される「報道の自由」の問題では、政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法4条の改正などによりメディアの独立性を一層確保するよう、米国やオーストリアが要請した。
「沖縄の人々をはじめ、少数派の人たちが社会権を享受できるよう対策を強化してほしい」とのペルーの意見も盛り込まれた。
勧告は審査会合での106ヵ国・地域の意見を反映した。日本は勧告ごとに受諾の是非を表明でき、人権理は受諾した項目のみを最終的な勧告として来年2~3月の会合で採択する。勧告に法的拘束力はない。

旧日本軍の従軍慰安婦問題では、中国と韓国が元慰安婦への誠意ある謝罪と補償、公正な歴史教育の実施を求めた。死刑制度の廃止・死刑の一時停止の実施も勧告した。

殺意否認

《元軍属、殺意否認》被告人質問 供述拒む
女性暴行殺人事件『検察、「犯行は計画的」』 〈琉球新報2017年11月17日 1面トップ〉

2016年4月に発生した米軍属女性暴行殺人事件で、殺人や強姦致死などの罪に問われた元米海兵隊員で事件当時軍属のケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告(33)の裁判員裁判初公判が16日、那覇地裁(柴田寿宏裁判長)で開かれた。
起訴事実についてケネス被告は強姦致死と死体遺棄罪は認めたが「殺すつもりはなかった」などと述べ殺意を否認した。弁護側も殺人罪は成立しないと主張した。一方、被告人質問では「黙秘権を行使する」と供述を拒否した。

【きょう第2回公判】

逮捕直後に供述した犯行内容について確認する検察側の質問に、ケネス被告は一貫して答えなかった。逮捕後の捜査段階で供述拒否に転じ、法廷での供述が注目されたが黙秘を続けた。
罪状認否では「殺しもしていない。気絶させてホテルに連れていき乱暴した後に開放するつもりだった。しかし、思い通りに気絶せず計画通りに進めることができなかった」と述べた。
検察側は冒頭陳述でケネス被告が通行中の女性を乱暴した上で殺害しようと考え、鉄と鉛でできた打撃棒やナイフ、スーツケースなどを用意して行為に及び計画的だったと指摘。その後、うるま市で襲う女性を物色。背後から被害女性の後頭部を棒で数回殴り、首に腕を巻き付け絞めたりしたほか、ナイフで首の後ろ付近を刺したとして「殺意が認められる」と主張した。
弁護側は棒で殴ったり、首を絞めたりしたのは気絶させるためで殺意はなかったとし、暴行現場では被害者を抱きかかえ草むらに飛び込んだ際に被害者が地面に頭を打ち付け死亡した可能性があると指摘した。
起訴状によるとケネス被告は16年4月28日午後10時ごろ、うるま市内の路上でウォーキング中の女性(当時20)に殺意を持って頭部を棒で殴った上、両手で首を絞めたり首付近をナイフで数回突き刺したりした。乱暴目的で犯行に及んだが未遂に終わり、一連の暴行で女性を死亡させたとされる。第2回公判は17日午前10時に開廷。被害者参加制度で立ち会っている被害者の父親が意見を述べる。ケネス被告の被告人質問も再度検討する。

《黙秘 真実どこに》元米軍属殺人初公判『法廷に遺族おえつ』
〈琉球新報2017年11月17日 31面〉

おえつが漏れる法廷で、淡々と審理に臨んだ。16日、那覇地裁で始まった裁判員裁判で、起訴内容を一部否認したケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告(33)。残忍な事件はなぜ起きたのか。ケネス被告の発言に注目が集まったが、被告人質問では黙秘し、事件について語ることはなかった。

ケネス被告は午前10時ごろ、半袖の白い無地のTシャツに、黒っぽい長ズボン、黒いサンダル姿で入廷した。時折傍聴席に目をやり、少し緊張した表情、公判中は、肘をついて口元に手を置いたまま、ほとんど身動きせず、モニターに視線を落とした。
被害者参加制度を利用した被害女性の父親は、喪服姿で検察側の席に座り、険しい表情でケネス被告を見つめた。起訴状が朗読されると、傍聴席に座っていた母親はハンカチで顔を覆い、肩を震わせた。
裁判長から認否を問われた際、ケネス被告は少し間を置いた後、用意したメモを読み上げ「被害者を気絶させてホテルに連れていき、乱暴した後に開放するつもりだった」と殺意を否定した。その後の被告人質問では黙秘権を行使し、約5分で終えた。
検察側は、捜査の段階での取り調べでケネス被告が供述した内容を読み上げた。被害女性の首の後ろ付近を刺し、乱暴しようとしたとの自身の供述が明かされると、眉間にしわを寄せて目を閉じた。
一方、弁護側も、ことし4月に作成したケネス被告の供述書を読み上げた。ホテルで乱暴しようとしたが計画通りいかず、被害者が亡くなったことに「私の努力が結果に見合わなかったのが残念だ」と述べた。ケネス被告は耳元に手をやり、イヤホンを何度も直して通訳の声に聞き入った。
傍聴したうるま市の病院職員具志堅さんは(51)閉廷後「被告の態度は、謝罪の気持ちとは裏腹だ。真実が語られず、残念に思う」と述べた。

《被告の足取り 明らかに》
検察側の、弁護側の主張や証拠などから、県警の発表で言及されていなかった事件前後のケネス被告の足取りなどが明らかになった。
双方の冒頭陳述などによると、ケネス被告は恩納村安富祖に女性の遺体を遺棄した後、金武町伊芸のホテルに入りシャワーを浴びて、女性を埋める際に土がついた洋服を着替えた。その後、キャンプ・ハンセン内の職場に行き、女性を運ぶ際に使った黒いスーツケースや着替えた洋服を捨てた。その後、打撃棒を捜すために暴行現場に戻り、打撃棒や女性の鍵、スマートフォンを見つけ、近くの水路に捨てた。
検察側は、ケネス被告のスマートフォン位置情報や職場での無線ネットワークに接続された時間などからケネス被告の足取りを再現した。遺体遺棄後に金武町内のコンビニエンスストアで塩などを購入し、駐車場で自らの身体に振りかける様子を記録したカメラ映像も証拠として提出した。

《供述 信用性で応酬》検察と弁護側、犯行巡り

被告人質問で黙秘したケネス被告、弁護人によると、初公判当日に法廷で語らないことを告げていた。そのため17日に予定していた被告人質問が16日に行われたとみられる。黙秘したことで、検察側と弁護側の双方は手持ちの供述書でケネス被告の供述の信用性を争うことになった。
検察側は検事2人が警察官役と被告役に分かれ、取り調べた際のやり取りを再現するように読み合せた。当時の供述によると事件の日、ケネス被告は女性を襲う目的で一帯をドライブしていた。
犯行に関して、打撃棒で被害者の後頭部を「力いっぱい、5から10回の間の数で」殴ったという。ナイフを使ったのは暴行現場で、首に後ろ付近を刺したと述べた。

弁護側はケネス被告が署名した弁護人作成の供述書を読み上げた。犯行については「力いっぱい殴ってはいない」と話し、「気絶させるために首を絞めた。気絶したと思った」と続けた。死因は倒れた時に「頭を激しく地面にたたきつけられたからだと思った」とした。ナイフで刺したのは遺棄現場だったと答えた。

日本版海兵隊「沖縄に」

《日本版海兵隊「沖縄に」》米四軍調整官が配備認める〈琉球新報2017年11月17日 1面〉

在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官は16日、防衛省が陸上自衛隊に創設する「日本版海兵隊」の水陸機動団が、将来的に県内の米軍基地に配備されるとの認識を示した。
うるま市の米軍キャンプ・コートニーでの会見で明らかにした。配備時期は不明で防衛省の判断とした上で「部隊が沖縄に展開すると聞いている」と述べた。日米の当局者が配備に言及するのは初めて。

配備候補地は米軍キャンプ・シュワブ(名護市)やキャンプ・ハンセン(宜野座村)が想定されるとした。
米軍基地を自衛隊と共同使用する事例になる点にも期待を示した。
県内の米軍基地の自衛隊との共同使用については「日本本土の基地は米軍との共同で使用できるのに沖縄ではなぜできないのか」と現状に不満を示した。

《オスプレイ「大半は洋上」》四軍調整官 合意順守の姿勢強調 
〈琉球新報2017年11月17日 2面〉

ローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官は16日の会見で、米海兵隊輸送機MV22オスプレイについて「県内で飛行する際、大半は洋上を飛んでいる。日米合意のルートに従い、集落上空は飛ばないように努めている」と日米合意順守の姿勢を強調した。オスプレイの飛行を巡っては、県内では低空飛行や民間地上空の飛行が度々確認されており、地元認識とのズレが浮き彫りになっている。

オスプレイの事故率が沖縄配備前の約2倍に増えていることについて「事故率の内訳がパイロットの人為的ミスによるものなのか、機械的な原因か分からない。私がコメントすることは難しい」と詳細な言及を避けた。米軍のまとめによると、オスプレイの10万飛行時間当たりのクラスA事故率は9月末現在で3・27で、米軍普天間飛行場に配備前の約2倍に増えた。
米軍の訓練で騒音など地域住民に負担を与えていることについて「迷惑をかけていることは申し訳なく思う」とししつ「地域の平和と繁栄を守る即応体制のために厳しい訓練が必要だ」と理解を求めた。
核ミサイル開発を進める北朝鮮情勢と在沖米軍の関係については「北朝鮮の脅威は本物だ。私が沖縄を留守にしている時の多くは韓国に行っており、沖縄駐留の2千人の海兵隊が今韓国に展開している。韓国に焦点を当てた訓練に多くの時間を割いている」と説明した。

《防衛相らと会談 辺野古推進確認》米太平洋軍司令官
〈琉球新報2017年11月17日2面〉

訪日中のハリス米太平洋軍司令官は16日、安倍晋三首相らと会談し、地元の負担を軽減しながら在日米軍を安定的に駐留させることに協力していくことで一致した。
ハリス氏は小野寺防衛相、河野外相とも個別に会談した。河野氏は米海兵隊普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設など米軍再編を着実に進展させていく方針を伝え、日米で協力することを確認した。
小野寺氏は東村高江で普天間飛行場所属の大型輸送ヘリCH53Eが不時着し炎上した事故を踏まえ、安全な運航を求めた。

《返済不要の留学費給付へ》在沖米総領事館  〈琉球新報2017年11月17日2面〉

在沖米総領事館が県内の高校生を対象に返済不要の交換留学のための奨学金を創設する。小遣いを除く、旅費やホームスティ費など米国内への交換留学費の全額を給付する。対象は県内の高校生で定員は4人。来夏に派遣を開始する。募集要項など詳細は近く総領事館公式ホームページに掲載する。
ジョエル・エレンライク総領事が16日、うるま市の米軍キャンプ・コートニーでの会見で発表した。8月にウィリアム・ハガティ駐日米大使が着任したことを受け「アンバサダー・スカラシップ(大使奨学金)として創設する。
留学したい意欲があっても経済力の問題で断念している生徒を支援するのが目的。そのため英語力のみにとらわれず、意欲や経済的支援の必要性なども含め総合的に審査する。
総領事館は「経済力を心配することなく多くの人にチャレンジしてほしい」と応募を呼びかけている。

《理解し難い犯罪》四軍調整官 基地関連付け、けん制〈琉球新報2017年11月17日30面〉

在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官は16日、元海兵隊員で事件当時軍属のケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告の米軍属女性暴行殺人事件の裁判員裁判が始まったことについて「いまだに強い衝撃を受けている。理解し難い犯罪だ。被害女性の家族に引き続き哀悼の意を示したい」と述べた。うるま市の米軍キャンプ・コートニーでの記者会見で語った。
ニコルソン氏は「われわれも地域社会の一員として暮らしている。この事件が、5万人の米軍関係者を反映したものではないことを理解してほしい」と述べ、米軍基地と事件を結び付けることをけん制した。

事件後1年間の米軍による事件・事故については「飲酒運転を含め大きく減少している。私の目標は不祥事をゼロにすることだ」と述べ、引き続き対策に取り組む姿勢を強調した。

2017年11月17日金曜日

世帯平均、70万円増

《家計の金融資産1151万円》世帯平均、70万円増「金融広報中央委調べ」
〈日本経済新聞2017年11月11日5面〉

金融広報中央委員会(事務局日銀情報サービス局)が10日発表した2017年の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、金融資産の平均世帯保有額は1501万円となった。前年の1078万円から約70万円増加した。株価上昇も背景に「貯蓄から投資」の動きが進んだ。

調査は6月~7月、全国3771の2人以上の世帯から回答を得た。金融資産を「運用や将来に備える目的の貯蓄」とし、引き落としなど日常的に使う現預金は除いた。
有価証券を持つ世帯ではこの1年、現預金から長期運用型やリスク資産に振り向けた世帯が13.7%と最大だった。
金融資産が増えた理由は「収入の増加」が33%で最多。働く配偶者が増え、共働きの増加が世帯収入を押し上げた。

「口座を保有していない」「口座を保有しているが残高はない」と答えた世帯は14.1%。前回の13%から増加した。単身世帯では12.4%と、同14.4%から減少している。

津見島沖、米軍降下訓練

《中止訴え 声届かず》津堅沖、相次ぐ米軍降下訓練〈琉球新報27面2017年11月16日〉


【地元無視、通知もなおざり】


うるま市津堅島訓練場水域での米軍パラシュート降下訓練が今年に入り急増し、常態化している。うるま市やうるま市議会が降下訓練の中止を求め関係機関へ採算訴えるものの、具体的な対策について返答はなく、一向に改善されない状況が続く。米軍は16日にも訓練を強行する構えで、市議からは「多すぎる」「政府は米軍に地元の声を伝えているのか」と憤りの声が上がってる。


〈 いらだち〉
津堅島訓練水域での降下訓練は、1997年以降の10年間で16回、直近では2009、2015年に年1回確認されていたが、今年は11月7日までに9回と急増している。


市議会は9日、今年4回目となる抗議決議と意見書を可決した。4回の抗議決議は全て退席なしの全会一致で可決されている。


「(文書に)回数も明記した方がいいんじゃないか」。9日の臨時会を前に開かれた市議会基地対策特別委員会で、ある議員が発言した。しかし、別の市議からは「頻繁に訓練があるから、回数は入れない方がいい」との指摘があった。決議を協議している最中にも、新たな訓練が実施されるという懸念からだ。


常態化する訓練に「抗議決議と意見書を決議して意味があるのか」「( 水域での訓練禁止は)国家間交渉で、これ以上議会としての手立てはない」と抗議決議の効果を問う声や諦めの声も漏れ始めている 。


《形骸化》
訓練が実施される際には事前に県やうるま市に通知されるが、その内容は水域を使用する旨しか記載されておらず、時刻や訓練内容は分からないのが現状だ。今月7日に、実施された降下訓練では民間の作業船とみられる船舶に、上空から落下する兵士が近接する様子も確認されている。詳細な訓練時刻が知らされない中では、船舶への注意喚起が行き届かない恐れもある。


2009年に実施された降下訓練の際には、県やうるま市に事前の連絡がなく、米兵1人が水域外に落下して地元漁業者から苦情が寄せられたことで訓練が発覚した。今後も不十分な事前通知すら行われない可能性も否めない。


市幹部は、詳細な訓練時刻が知らされないことに「訓練をいつやるのか、実施したのか、してないのかもわからない」と憤る。確認のために職員を派遣しようにも「(人員の問題で)終日職員を配置することはできない」と話し、事前通知のあり方に疑義を示す。


《政府への不信感》
1996年の SACO(日米特別行動委員会)最終報告で、日本政府は読谷補助飛行場の返還条件として、パラシュート降下訓練を伊江島に移転することを盛り込み合意した。
移転に伴う降下訓練の増加に対応するため、SACOでは伊江島での降下訓練の最大時間枠を設けている。一方で、津堅島訓練水域の使用条件が記されている「5.15メモ」には「水陸両用訓練のために使用される」とされ、降下訓練について詳細な記載はない 。


「これまでと同じような状況とはいかない」。訓練急増を受け9日、市議会と共に沖縄防衛局に抗議要請に訪れた上間副市長は強い口調で指摘した。事前通知を受け取るたびに訓練中止を求める市だが、それを無視される形で強行される訓練に、憤りを隠さない。市議からも「(中止要請は)政府や米側にきちんと伝わっているのか」「中止要請を受けて防衛局ではどう対応してるのか」などの声が上がり、政府への不信感も増している。

市議会の大屋議長は、SACOや5・15メモに、降下訓練の記載がないことに「やるとも(書いていない)、やらないとも明記されていない。しっかりと整理してほしい」とした上で、「地元が訓練禁止を強く要望していえう。国も真摯に取り組んでほしい」と水域での訓練禁止に向けた、政府の具体的な対応を求めた。(上江洲真梨子)