2017年11月17日金曜日

9条改正に賛否を、公明地方組織、本部に要求

《9条改正に賛否を》 公明地方組織、本部に要求〈琉球新報2面 2017年11月12日〉


公明党が先の衆議院選を総括した10日の全国県代表協議会で地方組織代表から安倍晋三首相(自民党総裁〉が提案する憲法9条改正による自衛隊明記案へ賛否明確にするよう求める意見が出ていたことがわかった。
党執行部は重要政策をめぐり自民党との対立が明確になれば連立政権の基盤が揺らぎかねないとして自民党の議論を見守る慎重な姿勢を示した。 出席者が11日明らかにした。
協議会は山口那津男代表の挨拶をのぞき非公開で実施された。終了後、西田実仁参議院幹事長が報道陣に内容説明したが改憲をめぐる質疑はなかったと明言していた。
地方組織の意見が表面化し、自民党との関係がギクシャクしないよう配慮したとみられる。

協議会では出席者が9条改正の党見解があいまいとして方向性を示すを要求した。執行部は「会見を倒是とする自民党と、公明党が真っ向から対立すれば政権そのものの基本に関わる話になる。簡単な話ではない」と述べ、 賛否を明言しないことに理解を求めた。仮に改憲が国民投票に委ねられた場合に「改憲の当否より政権への信頼があるかが投票行動に現れる。『安倍さんが嫌い』で体験が失敗する可能性は十分にあると指摘した。

2017年11月16日木曜日

米軍属女性暴行殺人事件公判

【きょう初公判】米軍属殺人 〈琉球新報1面 2017年11月16日〉

2016年4月に発生した米軍属女性暴行殺人事件で、殺人や強姦致死などの罪で起訴された元米海兵隊員で事件当時軍属のケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告(33)の裁判員裁判が16日、那覇地裁(柴田寿宏裁判長)で始まる。
復帰45年を経過した今も変わらず米軍基地が集中する沖縄では、米軍関係者による事件事故が繰り返されてきた。再び起きた残忍な事件に対し、県民がどう判断するのかが注目される。

被告側は罪状のうち強姦致死と死体遺棄の両罪は認める一方、「殺意はなかった。殺す計画もなかった」として殺人罪は否認する方針だ。争点は殺意の成否と量刑の2点となる。
起訴状などによるとケネス被告は16年4月28日午後10時頃、うるま市内の路上でウォーキング中の女性の頭部を棒で殴った上、両手で首を絞めたり首付近をナイフで数回突き刺したりした。
乱暴目的で犯行に及んだが未遂に終わり、一連の暴行で女性を死亡させたとされる。
公判は被害者参加制度で被害者の父親が立ち会い、初日に続いて17日に被告人質問などがある。24日に検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論を経て結審し、判決は12月1日に言い渡される。


【米軍属女性暴行殺人事件・きょう初公判】

『身分明確化補足協定「軍属減少数 通知なし」』〈琉球新報2面2017年11月16日〉


16日に初公判を迎える米軍属女性暴行殺人事件を契機に日米両政府は今年1月、日米地位協定で身分が保障される軍属の範囲を明確化する「補足協定」を締結した。
政府は協定締結を「画期的」として、犯罪抑止効果が全軍人に及ぶとの主張も展開してきた。ただ、締結から10ヵ月となるが米側から軍属の減少数の通知はない。政府の主張する犯罪抑止効果がどれだけあるのか、疑問符が付く状況が続いている。

補足協定は1月16日に締結され、同日の日米合同委員会合意で軍属の対象が詳細に定義つけられ、契約業者の従業員や米政府予算で雇用される者など8項目に分類された。
そのうち事件の被告と同様の契約業者の従業員については米軍の任務に不可欠かなど適格性の基準のが細分化された。
米側は「軍属」の適格性基準の見直しの進展状況を6ヵ月ごとに、最終的な結果を2年以内に報告することになっている。7月31日に外務省に初めての報告があった。
外務省によると米側からは 「問題のある契約業者の従業員はいなかった」としており、地位協定違反や軍属の要件を満たしていない人は確認されなかったという。だが、それ以外の内容については、米側からの報告者として詳細は明らかにしなかった。
政府は当初、軍属の対象明確化で軍属の人数が「減る」ことをに前面に打ち出していた 。ただ補足協定締結が近づくにつれてトーンダウンし、締結後は未だ米軍からの人数の報告はない。締結時に在日米軍の軍属は2016年末で約7300人、うち契約業者が約2300人と公開されただけだ。現状では犯罪抑止効果の検証もできない。補足協定締結の効果は事件の被告から「軍属」の肩書きを外しただけとなっている。


【青色灯車巡回】通報、米軍関係は3件



米軍族女性暴行殺人事件を受け政府は犯罪防止対策を講じた。昨年6月から沖縄・地域安全パトロール隊を創設し、青色灯をつけた車両100台体制で本当全域の見回りを続ける。不審者情報などを警察へ通報しているが、昨年6月から今年10月までの通報件数426件のうち 米軍関係者に関するものは3件だった。対策では防犯灯・カメラ設置の費用も県内41市町村全てに交付し 整備が進められている。パトロールを実施する沖縄総合事務局の安心・安全対策推進官室は「目的は犯罪抑止でことが起こらないために何ができるかを重要視している。一定の効果は上がっている」と説明している。
青色灯パトロールは昨年6月15日に当初は20台で夜間巡回をスタート。12月には100台体制に整え、深夜から未明の時間帯にも見回りを拡大し、北部全域を含めて巡回している。
青色灯車巡回による昨年度の通報は48件で、そのうち職務質問で米軍関係者と判明したのは2件で物損事故とケンカの一件ずつ。本年度は10月末までの通報378件のうち309件が泥酔者の路上寝込みで、米軍関係者は路上寝込みの一件だけだった。


【被告黙秘 法廷解明へ】きょう初公判『遺族、心癒えぬまま』米軍属女性暴行殺人事件〈琉球新報31面 2017年11月16日〉



県民に大きな衝撃を与えた米軍属女性暴行殺人事件の裁判員裁判が16日から那覇地裁で始まる。殺人や強姦致死などの罪に問われている元米海兵隊員で事件当時軍属のケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告(33)は逮捕直後から供述拒否に転じており、公判で事件の全容が明らかになるかに注目が集まる。遺族は心の傷が癒えぬまま公判を迎える。捜査に直接影響はなかったとされるが、米軍基地内に証拠品を投棄するなど日米地位協定が捜査の足かせとなる可能性もあり、県民から地域協定改定を求める声も上がった。


《事件の経過》

起訴状によると事件は昨年4月28日午後10時頃発生したが、殺人事件とわかったのは女性の遺体が見つかりケネス被告が死体遺棄容疑で逮捕された5月19にちになってからだった。
女性は4月28日にウォーキングに出た後、行方不明になった。捜査が大きく動いたのは5月16日。 現場付近の防犯カメラに映っていた通行車両の所有者を当たっていた捜査官が、現場周辺を Yナンバー車両で行き来していたケネス被告と接触した 。
ケネス被告は関与を否認したが震えるような動揺した様子を示し、任意の聴取後には睡眠剤を過剰に摂取し緊急搬送された。
5月19日、ケネス被告が女性を刺したことなどを自供し、案内した恩納村の道路脇で女性の遺体が見つかった。県警は死体遺棄容疑で逮捕したが、ケネス被告は逮捕直後から供述拒否に転じ、 殺人や強姦致死の容疑で6月9日に再逮捕された後も黙秘を続けた。そのため、詳細な動悸やなぜ被害者を選んで襲ったのかなど、内面的な部分は明らかになっていない。
県警は逮捕前後の供述をもとに、うるま市州崎の水路から女性のかぎや犯行に使用された打撃棒を発見したが 、女性のスマートフォンやナイフは見つかっていない。キャンプハンセン内の処分場にスーツケースを捨てたという供述から、基地内のゴミが集まる最終処分場で大型の黒いスーツケース数点を回収したが事件発生から時間が経過しており犯行に使われたという断定はできていない。他の証拠品を一緒に捨てなかった理由は分かっていない。
米軍の準機関紙「星条旗」は2017年2月、ケネス被告の見解を報じた。同紙によると被害女性に責任があるかのような認識を示し、強姦罪が親告罪で通報率も低いことなどから「逮捕されることは心配していなかった」などとしている。


【精神鑑定検討、裁判担当者変更・・・】『起訴から1年4ヶ月』

《公判開始遅れ》


殺人や強姦致死などの罪で昨年6月30日に起訴され、1年4ヶ月余りが経過したケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告の初公判 。ケネス被告の弁護士による精神鑑定検討や裁判長、担当検事の交代などで公判開始が遅れた。
ケネス被告の弁護人は2016年9月の公判前整理手続きで被告の精神鑑定を申請する方針を示した。 結果的には鑑定は見送ったが米国の病院に海兵隊入隊以前のうつ病の投薬治療に関する記録の提供を依頼するなど資料収集などに時間を要した。
17年5月には裁判長が健康上の理由で公判前整理手続きを開けず、その後に交代。担当検事も交代したことで証拠や争点整理などが再検討されたとみられる。そのほか被告から「予断に満ちている。沖縄の人の裁判を受けたくない」との申し出があったとして弁護人が7月に裁判の管轄を東京地裁へ移転することを那覇地裁に請求。審議した最高裁は8月に請求棄却を決定するなどの手続きもあり協議の進進行に影響した。


《県民の反応》怒りの大会開催 政府対応に批判


事件を受け、県民の間には大きな怒りが渦巻いた。2016年6月19日には被害者を追悼し在沖海兵隊の撤退を求める県民大会が那覇市で開かれた。集まった65000人は「怒りは限界を超えた」と書かれたプラカードを掲げた。同年5月26日、県議会は遺族への謝罪と完全な補償、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設断念や 初めて在沖米海兵隊の撤退も求めた抗議決議と意見書を全会一致で可決した。
県民の怒りを受け、日本政府は再発防止策として「沖縄・地域安全パトロール隊」を創設。同年6月15日から、沖縄総合事務局や沖縄防衛局の職員だが青色回転灯をつけた車で夜間の巡回を始めた。県警の警察官を100人増員し、防犯カメラ設置のための予算交付も決めた。16年7月5日、日米両政府は軍属の適用範囲縮小に合意し、17年1月16日に補足協定を締結。しかし、軍属から除外される人数が不明で犯罪抑止に繋がるのかが不透明な内容に、県内からは「小手先の対応だ」と批判の声があがった。


《悲しみ消えない》献花絶えぬ遺棄現場


未来への希望あふれる20歳の娘の命を突然、奪われた被害女性の遺族。手を合わせ供養する毎日が続く中、怒りと喪失感を抱えたまま公判に臨む。「娘を失った悲しみは消えない」女性の父親は事件発生から1年の節目に寄せた報道機関への手記で 心境を語っている。女性が遺棄された恩納村安富祖の現場は事件発生から1年半になるも今も献花に訪れる人が絶えない。
遺体発見現場は山道の県道104号線を海沿いの国道58号線から金武町向けに車で2~3分上がった場所の雑木林。交通量は少なく、虫や鳥の鳴き声が辺りを包む。献花台には、ここ数日のうちに供えられたとみられる色鮮やかな花や飲み物が並び、近くの木には女性の冥福を祈る千羽鶴がつるされていた。

被害女性の父親は、手記の中で 「私たち遺族は被告人を許すことはできない」などと悲痛な思いを綴っている。遺族は今回の裁判にあたり「気持ちを整理することで精一杯な状況」と代理人を通じて発表し、報道陣に対して個別取材や声かけなどを控えるを申し入れた。遺族の感情は未だ揺れ続けたままだ。

緊迫の海

【搬入強行 緊迫の海】石材海上輸送 抗議船と海保対峙
〈琉球新報29面 2017年11月15日〉

石材を積んだ大型台船が「ガシャン、ガシャン」と大きな音を立てて辺野古埼北のK9護岸に接岸した。14日午前、新基地建設で沖縄防衛局による初めての海上搬入が始まった。
台船に積まれた石材をトラックが次々と運んだ。「大浦湾に石材を持ってこないで」「県民の意思を無視した工事だ」。市民らの絞り出すような抗議の声が現場に響いた。海上保安庁のボートと抗議船が対峙する緊迫した状況の中、作業が強行された。

午前7時43分、雨が降り続く大浦湾。船に乗った作業員が長島付近にある浮き具(フロート)のつなぎ目外し、台船の進路を開けた。国頭村奥からの台船が次第に姿を現し、護岸に近づいた。
抗議船が台船に近づこうとしたが、進路をふさぐように海保のボートが立ちはだかった。抗議船の牧志船長は(67)は「我々がなぜ、お金にならない抗議活動をやっているか、考えてくれ。未来の子や孫のためにやっているんだ。と訴えた。海保と抗議船のにらみ合いは続き、緊迫した空気が辺りを包んだ。
海保に守られ、台船がフロート内に進入した。雨が上がった午前11時ごろ、K9護岸に着岸した台船に載せられている石材をシュワブ内から来たトラックに積み込んだ。護岸に来たトラック1台が台船の石材を積んで護岸を通過する時間は約4分間。短時間で次々とトラックが台船から石材を運び出した。午前11時14分から始まったトラックによる資材運搬は午後1時半ごろまで行われ、2時間余りで台船の石材を運び終えた。
台船は午後3時頃には大浦湾から離れた。抗議船船長の仲宗根さんは(38)は「台船から積み下ろすペースが速かった。県民の意思を無視した強行工事だ。それでも現場でできることはやっていく」と話した。

【怒りに堪えぬ】抗議行動強化へ 陸海合わせて150台入る
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐる新基地建設で14日、米軍キャンプ・シュワブゲートからも砕石やオイルフェンスを積んだダンプカーなど工事車両役100台が基地内に入った。
14日、ゲート前では午前9時、正午、午後3時の3回に分けて、工事車両の搬入があった。これまで陸路では1日最大223台もの工事車両が搬入されたが、この日は海と陸を合わせて約150台だった。
ゲート前で抗議活動していた沖縄平和運動センターの大城事務局長は「まだ、大量の資材は入っていない。これから政府はいろんな手法を使うだろうが気後れしてはいけない。海上搬入は工事が遅れている証拠だ」と強調した。
ヘリ基地反対協議会の安次富共同代表は海上搬送が始まったことに「怒りに堪えない。数の力で押されるのであれば、われわれも押し返せばいい。人がたくさん来ればできる」と話した。

【辺野古掘削調査 受注者を非公開】防衛局、安全確保理由に
辺野古新基地建設工事に係る海上ボーリング調査の一般競争入札公告について、沖縄防衛局が「当該事業者の安全確保」を理由に受託業者名の公表を控えていることが、14日までに分かった。
同海域でのボーリング調査をめぐっては、2014年に埼玉県にある受託業者の事務所を狙った金属弾発射事件が起きている。防衛局の担当者は「過去の事件を鑑み、受注者の安全確保を最優先に配慮した」と説明した。
防衛局は辺野古沖で新たに19ヵ所の海上ボーリング調査が必要だとして、今年8月に土質調査の入札公告を出した。9月に同局の公式ホームページ上で結果を公表したが、受託業者名だけ黒塗りされ伏せられた。

2017年11月15日水曜日

女性殺害軍属 裁判員裁判

沖縄の紙面風景(新聞記事)2017年11月12日

琉球新報 2面 『女性殺害軍属 どう判断』16日から裁判員裁判

本島中部で昨年4月、女性会社員、当時(20)を暴行し殺害したとして、殺人などの罪に問われた元海兵隊員で軍属だったケネス・シンザト被告(33)の裁判員裁判が16日から那覇地裁で始まる。
基地が集中し、米軍関係者による事件事故が繰り返されてきた沖縄で再び起きた残虐な事件を市民がどう判断するか注目される。

被告側は「殺意はなかった」として殺人罪は否認する一方、強姦致死と死体遺棄の罪は認める方針。16日の初公判に続き17日h被告人質問を実施し、24日に検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論を経て結審。判決は12月1日に言い渡される。
起訴状によると、シンザト被告は昨年4月28日午後10時頃、本島中部の路上で女性会社員を乱暴目的で襲い、頭を背後から棒で殴打。ナイフで首筋を刺すなどして抵抗できない状態にしたが目的を遂げられず、一連の暴行で殺害したとしている。
女性はウォーキングに出た後、行方不明になり県警は5月19日にシンザト被告を逮捕。供述に基づき、恩納村の雑木林で白骨化した遺体が見つかった。捜査関係者によると、当初「首を絞め、刃物で刺した」などと供述したが、その後、黙秘に転じた。
事件に沖縄の怒りと反基地感情が噴出した。
1995年に起きた米兵による少女暴行事件の記憶と重なり、昨年6月の県民大会では6万5千人(主催者発表)が抗議の声を上げた。
米兵の特権意識を助長すると指摘される日米地位協定の見直し議論が再燃し、日米両政府は今年1月、軍属の範囲を縮小する「補足協定」を発効した。
遺体が発見された雑木林には事件から1年半が過ぎた今も花を手向ける人の姿が絶えない。親族によると女性の両親は仏壇に線香をあげながら手を合わせる日々を送っている。
シンザト被告は現在、那覇拘置所にいる。弁護人の高江洲歳満弁護士によると、面会しても無反応な様子だが沖縄の市民から選ばれた裁判員裁判には「フェアじゃない」と話したという。被告側は審理を東京に移すよう求めたが、最高裁は昨年8月、「裁判員は法律に従い公平に職務を行う義務を負っており、適正な裁判が制度上保証されている」として退けた。

「両親、苦しみ抱え法廷へ」
事件で殺害された会社員の女性(当時20)は、結婚を約束した男性と幸せな同居生活を送っていた。勤務先では「明るく、気配りができる」と信頼されていた。
趣味のウォーキングに出かけ、自宅近くで襲われたとされる。事件から1年半。「犯人を私の手で殺したい」。両親は娘を奪われた苦しみを抱え、元米軍属の男の裁判に臨む。
名護市の父親の家には女性が生前、身に着けていた服や靴が今も大切に保管されている。
親族によると両親は娘の話題になると言葉に詰まり、事件に関するニュースも見ることができないという。親族は「娘との時間が止まったままで、落ち込んでいる」と気遣う。
「ウォーキングしてくる」。事件当日の午後8時すぎ、交際中の男性にスマートフォンでメッセージを送ったのが最後だった。当時2人で暮らしていたマンションの部屋は既に引き払われた。
女性はアイドルグループ「AKB48」が好きで中学の修学旅行では曲に合わせて楽しそうに踊っていたという。友人の会社員の女性は(22)は「かわいくて優しい子だった。基地がなければ、事件は起きなかった」と悔しがる。勤務していたショッピングセンターの店長によると女性は興味があった化粧品の売り場を任され、真面目に働いていた。

海上から辺野古に

琉球新報1面トップ 2017年11月15日

【 石材、海上から辺野古に 】新基地建設 陸上も同時搬入
米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局は14日、辺野古埼北側の「K9護岸」を使い、初めて海上から石材を搬入した。
米軍キャンプ・シュワブのゲート前からも工事車両で資材を運び込んだ。陸上に加え海上からも同時に資材搬入を行い、工事を加速させる。県が工事停止を求める行政指導などを行う中で、工事を強行する国の姿勢に県内で反発の声が一層強まりそうだ。

県はK9護岸を使った搬入は実施計画の変更に当たると指摘し、事前協議をやり直すことや協議がまとまるまで海上運搬を実施しないことを求めていた。これに対し沖縄防衛局は、2015年に協議済みだとして、県の指導は「当たらない」と回答、同護岸を使った海上搬入を強行した。
台船は辺野古埼北側の100mまで延びた「K9護岸」に午前9時半ごろ、ロープで係留され、同10時半ごろに接岸した。船上にに積んだ砕石を重機でトラックに載せ替え、陸上にに搬入した。
運び込んだ砕石は10トンダンプカー役50台分で、13日に国頭村奥港で積んだもの。辺野古埼南西側のK1護岸とN5護岸を造成する工事に投入される。
新基地に反対する市民は海上や、K9護岸が見える瀬嵩の浜、ゲート前で抗議の声を上げた。
県は14日、吉田勝広政策調整官らが国頭村を訪れ、海上輸送に伴う奥港の岸壁の使用許可を9月に出したことについて同村や奥区に説明した。宮城村長は「区民の不安を取り除くよう最大限努力してほしい」と要望した。
奥区は23日に区民総会を開き、奥港からの海上輸送について区の方針を話し合う予定。
総会には県土木部の宮城部長も同席する。沖縄防衛局に対し13日、総会までに同港を使った海上輸送を行わないよう求めた。
沖縄防衛局は本紙取材に23日まで搬出を止めるよう地元から要望があることについて「次回以降の搬出に当たっては区長をはじめとする関係者の皆様に丁寧な説明を行い、理解を得ていきたい」とするにとどめ、搬出の一時停止は明言しなかった。

【 奥港許可 県が区に説明 】新基地資材海運「不許可は困難」
辺野古新基地建設で使用する資材を輸送する作業で、県が国頭村の奥港の使用許可を出したことについて14日、県は国頭村役場と奥区事務所を訪れ経緯を説明した。
宮城土木建設部長は糸満区長に「弁護士にも助言をもらったが、港湾関係法令に基づき判断すべきであり、申請者に帰責事由がない場合に不許可とするのは困難であると判断した」と話した。

『区長、安全配慮を要望』
糸満区長は「小学校も近い。安全面だけは気を付けてもらいたい」と訴えた。
吉田勝広政策調整官は「今後、問題点や課題が出てくるかもしれないが、村や区と相談しながら解決していきたい」と話した。
宮城国頭村長は県が14日になって村と区を訪れたことに「説明に来るのが遅い」と伝えた。宮城村長は「区民は何も知らなかったから不安だった。不安を取り除くように最大限努力してほしい」と県側に伝えた。さらに「港の使用を許可した以上は県側の責任もある。事故が起きないようしっかりと指導してほしい」と述べた。

『県の指導「当たらない」』防衛相、正当性を主張
小野寺防衛大臣は14日の閣議後会見で、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設をめぐり、沖縄県の行政指導を無視する形で石材の海上搬入を始めたことについて「護岸自体の設計内容を変更するものではない。県からの指導は当たらない」と述べ、手続きの正当性を主張した。
県は10月、海上搬入に使用する護岸を運搬船の接岸に使用することなどが護岸の設計変更に当たるとして、工事を中止して協議するよう行政指導していた。
小野寺氏は資材の海上搬入は埋め立て承認願書に既に記載していると強調した上で、今回石材を搬出した国頭村奥の区長からの要望を踏まえて公民館に「お知らせ」を掲示するなど、地元に配慮しているとの姿勢も示した。防衛省は資材の海上搬入と陸上搬入を同時並行で進める考え、海上搬入により、環境負荷の軽減や施工の円滑化、効率化が図れるとしている。


ジュゴン調査

『ジュゴン調査 録音機4地点』沖縄防衛局回答〈琉球新報2面 2017年11月14日〉

沖縄防衛局は13日、名護市辺野古の新基地建設海域のジュゴン生息調査について回答書を県に提出した。
ジュゴン生息域とみられる4地点に本島北部海域の海底に録音装置をするなどと回答した。13日に奥港で新基地建設用の石材の積み込みが始まったことを受けて、県は「海上運搬の経路はジュゴン生息海域を通る可能性があるため、その点に留意してもらうことも新たに必要になる」と述べ、文書に中身は14日以降精査に入ると説明した。
防衛局の回答書には録音装置を名護市嘉陽地先、今帰仁村古宇利島沖、国頭村安田地先と辺戸岬地先海域の4地点に18個を設置しる予定だと記載され、調査は新基地運用が始まってから3~5年程度継続する。
録音装置の有効性について防衛局は、船舶から同じ装置を吊り下げて調査したところ、ジュゴンの鳴き声と考えられる音が複数回確認されたことを根拠に「有効である」との認識を示した。
さらに防衛局は、すでに実施されている航空機と潜水による目視観察も継続するとして、ジュゴンの行動範囲と生態を効率的に把握していくと回答文書の中で言及した。

【 辺野古で新たに絶滅危惧サンゴ 】〈琉球新報1面〉
名護市辺野古の新基地建設工事海域で、新たに絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ8群体、10日に辺野古側でヒメサンゴ1群体を発見した。
埋め立て予定地では7月にも絶滅の恐れのある希少なサンゴ14群体が見つかっていたが、防衛局が県に報告した時点で13群体が死滅していた。
このため県は報告が遅いと批判しており、防衛局は今回、発見から数日以内に県に報告したことを強調した。
防衛局の調査で埋め立て工事区域内で絶滅危惧種のサンゴが発見されたのは今回で2度目。今回発見されたサンゴについて防衛局は「移植のための採捕許可申請を県に出すかどうかなど対応は環境監視当委員会で議論する」とした。
沖縄防衛局は6日にN5、K1護岸の工事に着手した。近隣には7月に発見され、防衛局が移植したいとしているオキナワハマサンゴが生息している。防衛局は護岸工事着手後のサンゴへの影響について「モニタリングの結果、施工による影響は確認されていない」と回答を13日、県に文書で提出した。


2017年11月14日火曜日

石材の海上輸送着手

2017年11月14日 琉球新報一面トップ

『国、石材の海上輸送着手』新基地建設 奥港に搬入強行

米軍普天間飛行場の流し辺野古移設をめぐる新基地建設で沖縄防衛局は13日、国頭村奥港で石材を海上輸送する作業に着手した。
大型トラック約50台が台船へ石材を積み込んだ。天候が整えば、14日に辺野古へ搬入する見通し。資材の海上輸送は2014年7月に新基地建設が着工してから初めてとなる。新基地建設に反対する市民らが、奥港で抗議の声を上げた。

海上から台船で石材を直接、大量に搬入することで新基地の埋め立てを加速させることが狙い。台船1隻に搭載される石材は陸上での搬入に使われている大型トラックの200台以上の積載量に相当する。
午前7時半すぎ、大量の石材を大浦湾まで運ぶ大型の台船が奥港に到着した。
国頭村奥集落の住民や新基地建設に反対する役50人が奥港に集まり、「集落は意思表示していない。ちゃんと説明しろ」「搬入を強行するのはおかしい」など抗議した。
午前9時過ぎ、国頭村辺土名の採石場から石材を積んだ大型トラック25台が港に到着した。新基地に反対する市民がトラックの進行を妨害しようと道路に横たわるなどして抗議したが、県警機動隊に排除された。午後1時過ぎにも大型トラック26台が石材を台船に運び込んだ。
沖縄防衛局は、辺野古先北側のK9護岸を桟橋として使い、台船を接岸させて石材を搬入する。運び込んだ石材は、6日に始まった辺野古先南西側のN5護岸、K1護岸の工事に投入する。
県はK9護岸の利用が実施計画の変更に当たるとし、工事の停止を求めているが、海上輸送に伴う奥港の岸壁と港湾施設用地の使用許可を9月に出した。
本部町は10月、本部港の荷捌き地の使用許可を出している。
今のところ、本部港に近い埼本部区の区長に沖縄防衛局からの説明はなく、本部港からの石材搬出のめどは立っていない。


琉球新報 2面関連記事
【 県幹部「行政の限界」 】辺野古新基地 石材海上輸送「国、抗議分散で消耗狙う」

辺野古での新基地建設工事に使用する石材の海上輸送が始まった。国は工事の加速化のほかに、海上搬入と陸上搬入を同時に進めることで市民の抗議行動を分散させエネルギーを消耗させる”効果”も狙っている。
石材の海上輸送をめぐっては、県が奥港の使用を許可したことから「あらゆる手段を使い新基地建設を阻止する」と口にしてきた翁長雄志知事に対し言動不一致との批判も表面化し始めている。
これに対し県幹部の一人は「市民からそういう声が出るのは当然だ。ただ、行政にも限界がある」と苦悩をにじませる。県は今後、往来する大量のダンプカーによる振動や粉じん、騒音で、奥港近くの奥小学校やヤンバルクイナなどの環境への影響を監視していく構えだ。
13日、中国出張から帰任し、ハガティ駐日大使との面談を終えた知事に報道陣が港湾使用許可への説明を求めたが、知事は取材に応じなかった。事務方が「地元にも説明し、現場の情報を集めてからではないと説明責任が果たせない。県民の気持ちを受け止めた上で説明したい」との知事の言葉を伝言するのみだった。
国のペースで工事が進むが課題もある。海上と陸上の資材搬入を同時に行うことで抗議活動を警戒する機動隊も分散することになる。
国には「反対派を抑えられる人数を確保しないといけない。分断は警察側もきつい」(警察関係者)との不安の声もある。しかし、防衛省関係者は「使える港はもっと増えてもいい。安全に作業を進めるためだ」とほくそ笑み、工事の手を緩めるつもりはないことを強調した。

【 県「違法」批判を回避 】岸壁使用許可 政府の提訴懸念
辺野古新基地の護岸工事で国頭村奥港からの石材海上搬送に向けて台船への積み込みが13日始まった。台船が港を使う岸壁使用は県が9月上旬に許可した。6月下旬の申請から3ヵ月弱。許可決定まで県庁内では新基地は造らせないとの翁長雄志知事の公約との兼ね合いをめぐる議論もあったが、逆に政府側から不履行で提訴されることも想定し「法律論として認めざるを得ない」(県幹部)として決定に至った。
岸壁使用申請について県はこれまで通常2週間で判断してきた。3ヵ月弱は異例ともいえる長期で、その間、知事公約を念頭に「許可を出さないことが可能か」との議論も交錯した。
「港湾法に基づけば不許可にはできず、不許可とすれば逆に違法になる」(県担当者)。
弁護士にも相談し政府が県を訴え「違法との判決が出た場合、不適切な行政を行ったと国民に受け取られかねない」との判断も働いた。
県幹部は「裁判に負ければ、また政府は負けた、負けたとはやし立ててくる」との見通しも示しながら「だからこれ以上延ばせない」との決断に至った経緯を説明した。
辺野古新基地建設の護岸工事を巡っては奥港のほかに中城湾港の使用についても9月上旬に申請が県に提出されている。こちらの申請は県としてはあくまでも法的に判断していく姿勢だ。